最も成功した音楽ダウンロードサービスといわれるiTunes Storeだが、6年の歳月を経て大きな変更が加えられることになった。

米Appleは6日(現地時間)、iTunes Plusと呼ばれるDRMフリーで256kbps AACの楽曲サービスの提供範囲を拡大すると発表した。6日時点で4大メジャーレコード(Universal、Sony BMG、Warner、EMI)を含む800万の楽曲がPlus対応となり、4月以降にはその数が1,000万曲以上になる見込みだという。

またPlusの拡大に合わせる形で新たな料金体系導入が発表された。サービス開始以来、楽曲1つの料金が99セントという体系を守り続けてきたiTunesだが、新体系では99セントに加え、新たに129セントと69セントという2つの価格オプションが用意される。なお、アルバムについてはその多くが既存と同様に9.99ドルで提供される見込み。

DRMフリーと高音質という2つの特徴を持つiTunes Plusが、今回の発表でより身近なものとなる。提供範囲拡大は発表日の6日同日をもって開始され、4月時点での1,000万曲オーバーを目処に作業が進むことになる。この時点で前述の3つの料金体系が適用され、権利者の課金状況に応じた価格が提示される。3種類の価格は同時に値上げの可能性を意味しているが、Appleでは「1.29ドルの楽曲よりも69セントの楽曲のほうが多い」と説明する。

iTunes Storeに関してはこのほか、iPhoneに関するアップデートが発表されている。iPhoneではiTunes Wi-Fi Music Storeを介して携帯端末のみでの楽曲の購入が可能だったが、その名前が示すとおり無線LANネットワークに接続中のときのみ機能が利用できるという制限があった。だが新サービスではこの制限が撤廃され、iPhoneの3Gネットワーク通信を介してどこからでも楽曲のダウンロードが可能になった。サービスの名称もiTunes Music Storeとなり、利便性向上を強調している。iPhone上で購入した楽曲を同期を介してMac / PCに転送できる点も従来のままだ。