ライブビューとEVFの切り換えは自動

ライブビューは快適、というか、ライブビューが基本だから、電源を入れれば普通に使える。まったく違和感はない。コンパクトカメラと同じ感覚で使用できる。液晶モニターの表示もきれいで見やすい。

液晶モニターを使うほか、EVFによるファインダー撮影も可能だ。回りが明るすぎるときや望遠レンズを使う場合は、液晶モニターよりも接眼ファインダーのほうが使いやすい。液晶モニターとEVFの切り換えは、顔を近づけると自動で行なわれる。これがとても便利。顔を近づけたままメニューを操作すればEVFでメニューが見られるし、そのまま顔を離せば続きは液晶モニターで操作できる。ごく自然にできるのがいい。

EVFの画角も調べてみたが、実測で約26.1度と非常に広かった。これは「EOS-1D Mark III」クラスで、配置を自由にできるEVFのメリットを感じる部分だ。

ただ、EVFの表示そのものの見やすさはいまひとつ。光学ファインダーと感覚的に比べてしまうせいか、赤や青の液晶のにじみやギラつき、表示のディレイ(遅れ)にも慣れが必要だろう。今後の進化に期待だ。

ライブビュー。モニターを左に開くことで、上下からも見やすくなる

EVF。妙な色が乗っているが、肉眼ではこうは見えない

ライブビューの画面。これはAFポイントの自動選択(23点)で合焦した状態

フォーカスモードは4種類が用意される

LCDモード。「オートパワーLCD」では周囲の明るさに応じて自動的に液晶の明るさを調整する

露出補正は画面いっぱいを使ったゲージでも表示できる。ただし上下のキーで操作するのがちょっと違和感

露出補正はライブビューにも反映され、表示が明るくなったり暗くなったりする

ホワイトバランスは十字キーの右ボタン、「Q.MENU」ボタンのどちらからでも操作できる

コンパクトと一眼レフの機能両方入り?

表示方法は液晶モニターが「液晶モニタースタイル」、EVFは「ファインダースタイル」が初期状態。変更も可能だ。ファインダースタイルは表示の下と左右を暗くし、その部分に撮影情報を表示するもので、光学ファインダー風になっている。これは好みで選べばいいだろう。「DISPALY」ボタンで情報表示画面にも切り換えられるが、これはライブビューが見られない。

撮影時、マニュアルフォーカスなら「MFアシスト」を使うことで中央部を5倍に自動拡大するが、顔認識を含め、オートフォーカスだと撮影時の拡大表示はできない。もちろん再生時は任意に拡大できる。拡大には前ダイヤルを使用し、最大で16倍まで大きくなる。反対側に回すとサムネイル表示となり、さらに回すとカレンダー表示となる。

ライブビューらしく、モニター上に格子線などの「ガイドライン」を表示できる。種類は9分割格子線、16分割+放状線、十字線の3種類。十字線はクロスする位置を任意に変えられる。

基本のライブビュー画面では、画面の上下に設定状態を示すアイコンが並べられている。「Q.MENU」ボタンを押すと、各アイコンが設定可能になり、直接変更できる仕組みだ。各設定はメニューからも変更できる。つまり、同じ設定が2カ所、ダイレクトボタンを持つ機能は3ヶ所から同じ設定ができることになる。メニューは左側に「再生」「撮影」などのグループがあり、右側に機能が並ぶ一般的なもの。機能は1画面では収まらず、右上にグループ番号が示される。

撮影モードの並び方(ディレクトリ)は少々複雑だ。モードダイヤルは「A」「S」「M」などの「応用モード」と、「人物」「風景」などの「アドバンストシーンモード」が並んでいる。さらに「SCN」のシーンモードがあり、これを選ぶと「パーティー」や「赤ちゃん」などのシーンモードが選択できる。まあ、これはダイヤルに並びきらなかったのだろうと類推できるが、ダイヤルには自由に色などを変更できる「マイカラーモード」が置かれている。「赤ちゃん」を赤っぽく撮影したいときはどう設定すればいいのだろう?

このあたり、コンパクトと一眼レフの両方の機能を詰め込んだという感じが否めない。DMC-G1はコンパクトから一眼レフへの橋渡しという重要な役を背負っているだろう。であれば、写真や撮影の楽しさが伝えられるような構成をめざしたほうが良かったのではないのか。「デジタルズーム」(ソフト的な画像拡大)や「EX光学ズーム」(トリミング機能)は、もうこのクラスのカメラでは必要がないのではとも思う。

マニュアルフォーカスのモード。「MFアシスト」をオンにしておくと、フォーカスリングを回すと自動で拡大表示される

マニュアルフォーカスでの拡大表示。拡大率は5倍と10倍が選択できる

ガイドライン表示。これは9分割の格子線

ガイドライン表示。16分割+放状線

ガイドライン表示、十字線の選択状態。十字線は任意の位置に変更できる

人物に合わせて十字線を動かしてみた