「携帯らしさ」をあえて排除した「Walkman Phone, Xmini」

今回の着うたフルプラスと同時に、対応端末として「Walkman Phone, Xmini」が発表された。ソニー・エリクソン製の「ウォークマンケータイ」としては「W42S」「W52S」に続く3代目にあたり、型番は「W65S」となる。

名前にある"Xmini"には、"extremely mini"(究極に小さい)と言う意味を込めており、その名の通り、あえて"携帯電話らしさ"を排除した、音楽プレーヤーとしての「ミニマルデザイン (余計な要素を極力排除したデザイン) 」を追求している。約44×75×18mm(最厚部20mm)の小さな筐体は、テンキーを閉じた状態だと、どこからどう見ても携帯電話ではなく、ごく普通のウォークマンにしか見えない。スライドしてテンキーを開いて初めて「あ、携帯電話だったんだ」と気付く、といった感じである。

3代目「ウォークマンケータイ」となる「Walkman Phone, Xmini」(W65S)。写真は、メインカラーとなるグリーン×ブルー。閉じた状態だと携帯電話に見えない

グリーン×ブルー

ホワイト×ターコイズ

ブラック×ブラック

パープル×ピンク

液晶には、約1.8インチのQVGA(240×320ドット)のTFT液晶を採用している。昨今、ワイド液晶が携帯電話の液晶の主流を占めている中で、画面比率3:4のスクエアな液晶を配しているのは、割り切りのひとつと言える。この液晶の周辺には、タッチセンサーが配置されており、閉じた状態でもある程度の操作が行えるようになっている。

液晶面周辺にはタッチセンサーがあり、各種操作が可能。ちなみに、液晶の中央右側にあるひし形のマークは「マルチ」キーであり、この端末がKCP+端末であることを物語っている

拡張端子とヘッドセット端子は、本体底面に配置されている。ケーブルなどを接続すると下に伸びるような形となる。なお、この機種は卓上ホルダを用意していないため、充電する際は、拡張端子に充電アダプタを挿して利用する。バッテリーも今までのソニー・エリクソン共通のものではなく、専用のものを使うようになっている。

左側が拡張端子。右側がヘッドセット端子

バッテリーは当機種用に新たに作られたもの(65SOUAA)で、今までのソニー・エリクソン製端末で使われてきたものとは異なる

携帯電話としてのプラットフォームは、KDDIが2007年冬から導入し始めたKCP+(KDDI Common Platform Plus)を採用している。そのため、au oneガジェット、LISMO VideoのようなKCP+端末専用のサービスを利用できる。マルチプレイウィンドウについては、画面のサイズの都合上、「Sportio」と同様に2画面表示機能は搭載されていないが、マルチタスク機能は使うことができる。Bluetooth機能も搭載されており、ワイヤレスで音楽を楽しめる。発表会場では、ソニー・エリクソンが独自に展開しているBluetooth周辺機器の展示コーナーが設けられていた。

会場では、ソニー・エリクソンが独自に展開しているBluetooth周辺機器も展示されていた。ただし、auショップ、PiPitで取り扱う予定は無く、従来通り大手量販店を中心に販売していくそうである

KCP+を採用した本端末ではあるが、いまどきの携帯電話としては、機能面で割り切った部分がある。例えば、au携帯電話が先駆けて搭載してきたGPS機能が搭載されていない点は特筆すべき"割り切り"だ。EZナビウォークやEZ助手席ナビなど、GPSを活用したサービスは当然のことながら非対応となる。最近では、当たり前のように携帯電話には付いているカメラも無い。これも本端末ならではの"割り切り"である。おサイフケータイ機能(EZ FeliCa)も無い。購入する際は、これらの機能面での"割り切り"をよく考慮する必要がありそうだ。

(井上翔/K-MAX)