注目の新ジャンル製品

ブース展示では、Leadtekの画像処理カード「WinFast PxVC1100」に注目。Cell Broadband EngineのRISC型プロセッサコア「SPE」を4基と、MPEG-2/H.264のエンコーダ・デコーダを集積した「SpursEngine」(東芝製)を搭載した拡張カード。カード単体のほか、ベアボーンPCとしても発売するそうで、ブースでは動作デモも行われていた。

CellとSpursEngineの違い。ハードウェアのエンコーダ・デコーダやPCI Expressのブリッジを内蔵した

Mini-ITXマザーボードを採用したベアボーンPCも発売予定。上に見えているのがWinFast PxVC1100だ

同社の金子直樹氏が2日目のセミナーに登壇しており、この製品について説明。(1)3次元リアルタイム顔トラッキング、(2)ジェスチャリモコン、(3)映像インデキシング、(4)超解像技術--などの応用例を紹介した。ちなみに、これらの機能は東芝のノートPC「Qosmio G50」でもすでに実装されている。

3次元リアルタイム顔トラッキング

ジェスチャリモコン

映像インデキシング

超解像技術

しかし、自作ユーザーが注目したいのは、なんと言ってもトランスコーディングの速さだろう。氏からは、SpursEngineを使用したときのテスト結果も紹介され、それによると、MPEG-2(1920×1080)→H.264(同)の変換時で、SpursEngine無しで3分9秒かかった処理が、SpursEngine利用時では29秒で終わったという。それと同時に、CPU使用率も大きく低減している。

SpursEngineのテスト結果。利用時には、ほぼリアルタイムで処理が終わっている

CPUはデュアルコアで十分と金子氏。しかもカードの消費電力は最高25W程度と低い

3万円前後という実売価格をどう捉えるかだが、他に比較できるような製品もないので、高いか安いかはユーザーの満足度に委ねるしかない。トランスコーディングの高速化などについては、最近ではGPGPUという選択肢もあるものの、これは上位GPUでないとあまり効果がないとも言われており、結局はそれなりのコストがかかる。画像処理がメインであれば、この製品を検討してみてもいいだろう。