Xiph.Org Foundationは米国時間の3日、ビデオコーデックライブラリ「Theora 1.0」をリリースした。ソースコードには修正BSDライセンスを適用、商用 / 非商用の別なく自由に再配布可能なオープンソースソフトウェアとして配布される。

Theoraは、米On2 Technologiesが開発し2001年にオープンソース化したビデオコーデック「On2VP3」をベースに、開発がスタート。2004年公開のバージョン (libtheora 1.0 α4) までにはストリームフォーマットが仕様として確立されたが、以降約4年にわたりβ版としての検証作業が続けられていた。今回の正式リリースは、安定性とコードベースの成熟を示すためのもの。

Theora 1.0に収録された新しいデコードプログラムは、Theoraフォーマット完全準拠のうえ、従来のバージョンに比べパフォーマンスが大幅に向上。すでにOne Laptop Per Child (OLPC) が提供する低価格ラップトップ機にも採用されているという。

今回のリリースにあわせ、Webブラウザ「Firefox」と「Opera」の次期バージョンで、Theoraをネイティブサポートすることが正式に発表された。FirefoxとOperaは、すでに次期バージョンの試験公開版でHTML5をサポート、オーディオ / ビデオエレメントでOgg Vorbis / Theoraのコンテンツ再生を可能としている。

今後の開発計画も明らかにされた。現在、Red Hatの支援のもと、後方互換性を維持しながらも品質を大幅に向上させた次世代エンコーダ「Thusnelda」を開発中であり、次期リリースのTheora 1.1に収録する予定とのこと。