まるで有名なコンピュータゲームの「シムシティ」をコンピュータ自身で1人遊びさせるような研究だが、この研究グループは研究成果を「CITY ENGINE」というプロシージャル街生成ミドルウェアとしてまとめ上げ、ビジネスにまで展開したことで、注目を集めている。

「CITY ENGINE」は、ゲーム開発や映像制作者向けのプロフェッショナルソフトとしてUS$6950にて販売が開始され、同時に30日限定の無料試用版もリリースされた。興味がある人はCITY ENGINEのオフィシャルサイトを訪れてみるといいだろう。

なお、最新版のCITY ENGINEでは、ビルの形状は現代風だけではなく、ルールの作り方次第では未来的な、あるいは異星文明的なものも作り出せるようになっており、応用範囲は広そうだ。

最新版「CITY ENGINE」によるプロシージャル都市生成の例

このような未来的な架空都市やSF的な斬新な都市も生成できる

想定されている用途は映像制作やゲーム開発といった以外に、都市計画シミュレーション、古代文明都市の再現などの学術用途などが挙げられている。

実際、CITY ENGINEの開発グループは、バージニア大学と共同でローマ時代の街並みを再現するプロジェクト「ROME REBORN」をCITY ENGINEベースで実装し、SIGGRAPH 2008で発表している。過去の数々の考古学的な発見を、系統立てて大局的にビジュアライズする手段としてCITY ENGINEが活躍したことになる。

都市計画シミュレーションにも利用できる?

ローマ時代の街並みを考古学的な見地で生成。バージニア大学との共同研究にてCITY ENGINEが採用された