生物成長モデルで貝モデルをプロシージャル生成する

細胞テクスチャ生成法は、いわば生物的な成長をシミュレーションしたプロシージャル技術といえた。

これに関連した例として、宮田氏は、この成長モデルを応用して3D形状モデルをプロシージャル生成しようという研究例も紹介している。

貝モデルをプロシージャル生成する方法

前編でL-SYSTEMで植物をプロシージャル表現したカルガリー大学のPrzemyslaw Prusinkiewicz教授の研究を取りあげたが、同じ研究グループのDeborah R. Fowler氏らが「貝」の3Dモデルのプロシージャル生成についての論文を発表しているのだ。

この方法では、初期の種(細胞)モデルを用意し、これを徐々に大きくしつつ、回転軸(図中のZ軸)に対して回転させながら成長させていくことを行う。すると、その軌跡が貝の3D形状モデルとなるのだ。

さらに、この表皮の模様を、前出のギーラー・マインハルト反応拡散などの反応拡散系の処理で生成している。

貝の種細胞モデルをらせん回転成長させてその軌跡を形状モデルとする

貝が登場する3Dゲームはなかなか少数派だが、このアプローチで、クリーチャーや宇宙船などをプロシージャル・デザインするのは面白そうだ。

いずれも左の写真が実物の貝で、右がこの技法で生成して着色した貝モデル。ほとんど実物そのもの。その完成度は極めて高い。最先端プロシージャル技術はここまで来ている