PC向けのフリーソフトとして人気を博した「犬と猫」制作の『レミュオールの錬金術師』が、ニンテンドーDS専用ソフトとしてリリースされた。実はファイナンシャル・プランナー(AFP)でもあったりする私にとって、今回のゲームは自信アリ! これまでのヘタレ街道なんて、もはや忘却の彼方です……。

『レミュオールの錬金術師』のジャンルは"経営シミュレーション"。実のところ私は、金融→経営コンサルという職歴があって、先にもお話したとおり、一応ファイナンシャル・プランナー(AFP)という資格を持っていたりする。もちろん、資格の更新も怠ってはいない。つまり、経験を活かしつつ、大好きなゲームをプレイし、レビューをお届けできるのでは……。というわけで、さっそくプレイを開始してみましょう。

パッケージを開いてさっそくプレイ開始!!

皆さんは、「錬金術」と聞いてどんなイメージを持つだろう? 私はというと……、等価交換……? どうもマンガの読みすぎのようだ。しかし、"経営シミュレーション"と"錬金術"が何ゆえにつながるのか? そういった小難しい(?)ことはさておき、このゲームの目的はとにかく"稼ぐ"こと。稼いで稼いで稼ぎまくることこそが使命なのだ。

主人公のティコは網タイツを着用……。あ、ゲームとは関係ありませんね

主人公のティコは、ん~いわゆる"ツン"。たとえば、弟子のルヴェルがティコの自分に対する扱いに不満を抱き、「家出しますじゃ。」なんて言った日には、"48時間の拷問"をすると豪語している。でも、ただの"ツン"ではなく、ヤヨイからのお裾分けの商品などをもらえばきちんと礼を言うし、シスターが寄付を申し出ればギャーギャー文句は言うものの、ルヴェルに諭されて寄付もする。すっごく偉い魔女とのことだし(弟子がいるくらいだから)、少しくらい高飛車な感じでも許されてしまうキャラクターなのだろう。

対して、弟子のルヴェル。イケメンでおそらく若い青年だと思うのだが、いくら師匠に対してとはいえ「~ですじゃ。」という喋り方は……ちょっとオッサン臭い気がするのは私だけだろうか。まあ、そういう人も中にはいるのだろう。そして他にも、商売をしている友人(?)のシバや、冒険者のフィルやシオ。ヤヨイやルヴェルの弟など、個性豊かなキャラクターが数多く登場する。

主人公のティコ(左)と弟子のルヴェル(右)

なぜティコが「ティコ魔法堂」を経営するに至ったかは、ゲームのオープニングを見ていただくとして、基本的なゲームの流れは、物を仕入れて売る。まさに商売の基本である。しかし、ただ仕入れて売るだけではないのが、さすがは経営シミュレーション。ゲームを始めてすぐは、当然のごとく、思ったように儲からない。できるだけ多くのものを仕入れて、できるだけ多く売りさばく。しかも高値では売れないので、しばらくは"薄利多売"の状態で乗り切る必要がある。ある程度、商売をこなしていくと商品を「加工」をして利幅の大きいものをさばくことができるようになる。最初は我慢して、徐々に店を拡張し、手広く商売する。ゲームの流れ自体はそれほど難しくないが、そこは経営シミュレーション。大儲けのためには地道な努力と苦労が必要となるのだ。

結構やり込んだ今でも不思議に思うのは、ティコが「加工」をすると「HP(LIFE)」が減ること。ティコは、魔法(錬金術?)を使って「加工」を行うわけだが、たいていのゲームでは魔法を使って減るのは「MP」である。しかし、このゲームには「MP」はない……。まさか、魔法だと思っていたのは私だけで、実は"手作業"で加工!? まあ、アクションゲームでもないし、ゲームの進行上、ほんとうにどうでもいいところではあるのだが、なんとな~く違和感が……。

「汚れ」はお店の汚れを指し、来客数に影響が出る。「人気」はお店の人気。「EXP」はティコの経験値で、グラフが最大になるとレベルUPする。「LIFE」はティコの体力値で、ゲーム中「HP」と表示されることも

徹底的にやり込んで、大富豪を目指せ!

このゲームの特徴としては、ストーリーが"エンドレス"であることが挙げられる。一応、「銀行に借金を返すこと」が目標となっているし、さまざまなイベントが発生して、それぞれに"クリア"の概念がもちろん用意されている。しかし、たとえそれを達成したとしても、ゲームはどんどん進められる。200を超えるとされる商品群をいかに売りさばいて、巨万の富を得るか。言ってみれば、これこそがプレイヤーの腕の見せどころであり、本作の最大の目的なのである。「加工」に「加工」を重ねて高付加価値の商品を作り出し、店にはお金持ちの客がどんどん来るようになると、それはもうウハウハ気分。この辺りが、PC版のころより「ヤリコミ度が高い」と評価されていた部分といえよう。

「加工」によって付加価値を高める! ちょっと怪しげな雰囲気ですが……

競馬好きな友人(?)がときどき、お金の無心に来る。その際は、ちょっとしたギャンブルを楽しめたりもする。ランダムで「ハイ&ロー」のミニゲームが発生するときもある。単純なゲームだが、意外に面白い。そうそう、忘れちゃいけないのが「売上杯」。さまざまな賞があって、受賞するとボーナスがもらえるうえに、レベルも上がる。ちなみに、私は毎日欠かさず「掃除」をしているので、「清掃賞」だけは毎回いただいている……。

金を借りにくる友人「シバ」

ゲームに勝つといいことがありますよん♪

順調に稼いでいけば、店の外観もグレードアップ。目指せ! お城のような「大規模店」

「操作性」の向上がPC版との大きな違い

基本的なゲーム性についてはDS版とPC版に大きな違いはないが、やはりDS版になったことで、「操作性」が大きく向上した点は見逃せないところである。タッチペンで簡単に操作できることはもちろんだが、持ち運びができる携帯ゲーム機用となったことで、いつでもどこでもプレイすることができるのも大きなメリットである。また、PCが苦手とか、自分専用のPCがない人でも手軽に遊べるということも歓迎したいポイントだ。そして、私が思ったのは、小学生など低年齢の子供などにも、経済の勉強の入り口として、うってつけではないかということだ。これは、ちょっと大げさですけどね……。

2画面表示になったことで、全体的に私はプレイしやすくなったと思う。単なる移植かと思いきや、DSならではの長所を充分に活かした作りになっているのもポイント。アニメーションの追加や、新たにグラフィックが描き下ろしされているところ、さらにインタフェースのちょっとした違いなど、PC版で慣れ親しんでいる人でも新鮮な気持ちでプレイできるのではないかと思う。

上下2画面表示になったことで、仕入れなどもかなりやりやすくなった

下画面の棚の商品をタッチすると、上画面に相場などが表示される

商売ということで、ちょっとだけ注意してほしいコト

たとえば、銀行からの借入金を返済した場合、「借入金」という負債が減る。そして同時にキャッシュ(現金+預金のこと)が減少する。しかし、ゲーム上におけるその日の結果を見てみると、「純利益」がマイナスとなっている。が、現実の世界ではこの数字を「純利益」とは言わない。このゲームの中で「純利益」と表示されているのは、キャッシュ(G)の出入りの結果が単純に表示されているだけなのだ。

現実の世界であれば、借入金の返済をした場合、「利益」にはなんら影響を与えない(利息が絡まない場合)。簡単にいえば「売上」から「仕入」を引いたもの=「資産」から「負債」を引いたものが「利益」となるわけだ。

一日が終わるとこのように表示される

「何を細かいコトを」と言われてしまいそうだが、問題となるのは、このゲームには、毎月25日に前月の純利益の10%を税金として収める制度があることだ。つまり、前月末にキャッシュをたくさん持っていた場合、利益が多いとみなされる。そして、翌月の納付日近くにキャッシュがあるからといって借入金などを返済してしまったとしよう。当然、使えるお金が減少してしまうので、納税ができなくなるという事態に陥ってしまうのだ。納税ができない場合どうなるか? 商品が差し押さえられてしまうのだ。当然キャッシュも少ないので、仕入れもままならない……。経営を続けるのは困難という最悪の結果になってしまう。そんなこんなを考えると、要するにこのゲームは、「いかにキャッシュを増やすか」ということに目的を置いていると理解。そうと決まれば稼ぎまくるしかないのだ!

銀行に借金をすべて返済するのが当初の目的だが、大きく稼げば預金することだってできる

それからもう1つ注意が必要なコトがある。その商品の販売数が100Pを超えたら「自動仕入れ」ができるようになる。「自動仕入れ」とは、陳列棚にある対象商品が売り切れた場合、割高ではあるが自動的に仕入れてくれるというシステムだ。その時がきたら、ちゃんとルヴェルが教えてくれる。

だがこのシステム、一見便利そうだが大きな落とし穴もある。たとえば「加工」を何回も繰り返してできる商品などの場合、原価が安いものを何回も「加工」することによって利幅を大きくしているのにも関わらず、いきなり割高な金額で、しかも勝手に仕入れられたら、たとえ売れても利益は少なくなってしまう。ちなみに、自動的に仕入れられる数は標準で「20」。これはイカンと思って設定を「0」にしようとしたが、設定できる最低の数値は「1」……。「自動仕入れ」は設定自体が自動的に行われてしまうため、機能をオフにしてしまうこともできない。このあたりは仕様だから仕方がないとあきらめるしかないようだ。

プレイ時間も決めておかないと大変なことに……

このゲーム、PCのフリーソフト版では1日が終わると、デモ画面のような絵が出て次の日へと進む。だが、今回のDS版では結果の表示後、"進行"をタッチするといきなり次の朝になってしまう。つまり、どこでゲームをいったん終了しようか……というのが非常に決めにくいのだ。というか、面白いのでついつい進めてしまう。そんなこんなをしていると、あっという間に数時間が経っていたなんてことに……。"中毒性が高い"と言っては語弊があるかもしれないが、とにかく、3カ月分プレイしたら、セーブしてまた明日……といった感じでプレイ時間を決めておくのが吉である。偉い人が言いました。"ゲームは1日"……あれ、何時間だったかな?

ゲームタイトル レミュオールの錬金術師
メーカー名 毎日コミュニケーションズ
対象機種 ニンテンドーDS
ジャンル 経営シミュレーション
発売日 2008年7月31日
価格 5,040円
CEROレーティング A (全年齢対象)
(C) 2008 Mainichi Communications Inc.
(C) 2008 犬と猫