東芝は開催中のCEATEC JAPAN 2008にて、ノートPCでの採用を想定した次世代バッテリ「SCiB」の展示とデモを行っていた。現在、一般的に使用されているリチウムイオンバッテリに比べ、安全で寿命が長いというメリットがある。

これがその「SCiB」バッテリ。電気自転車などではすでに実用化されている

現在使われているリチウムイオンバッテリは、ニッケル水素のようなメモリ効果はないものの、充放電を繰り返すと容量が低下していく問題がある(俗に"ヘタる"ともいう)。SCiBバッテリはこの特性が大幅に改善されており、6,000回の充電を行っても容量は80%以上を維持しているという。

これは毎日1回充電しても、16年以上もつペースだ。普通、2~3年も使っているとバッテリが長持ちしなくなってくるので、「新しいバッテリを買っても高いし、それくらいならノートPCを買い換えるか……」となった経験を持つ人も多いだろう。SCiBは結果として、ノートPCの寿命を長くするというエコな技術でもあるのだ。

また安全性の高さも特徴の1つである。リチウムイオンは度々発火がニュースになったりするが、SCiBバッテリは「端子がショートしても安全」(ブース説明員)だという。

それともう1つ、SCiBバッテリの長所と言えるのが、急速充電が可能であることだ。わずか10分間で90%の充電が終わるということで、ノートPCの使い方が大きく変わりそうだ。ただ容量については、数字は非公開となっているが、高容量のリチウムイオンバッテリよりは小さい模様だ。実用化の時期は未定。

従来のリチウムイオンバッテリとの比較デモ

SCiBの充電スピードはリチウムイオンの4~5倍