既報の通り、松下電器産業は、ビジネスノート「Let'snote」の2008年冬モデルを発表。軽量・長時間・タフに加え、可搬性に優れた「CF-F8」を発表した。10月17日発売で想定価格は29万円前後。
発表会ではまず、松下電器産業 パナソニックAVCネットワークス ITプロダクツ事業部 事業部長 高木俊幸氏がモバイルPCの商品戦略を説明した。
フィールドモバイル「TOUGHBOOK」とビジネスモバイル「Let'snote」とも、頑丈、長時間駆動、軽量、高いセキュリティ、屋外視認性、ワイヤレス技術、放熱といったコア技術で他社のノートPCとの差別化を図り、モバイルに特化した商品を展開。フィールドモバイル分野では、頑丈なUMPCやヘルスケア向けPCにより、新市場の創出を目指している。モバイルビジネス分野では軽量、長時間駆動、タフにより躍進し続けてきた。2005年以降、モバイルPCで3年連続シェア1位を獲得。今回発表する2008年冬モデルでは、ユーザーニーズにより、持ち運びやすさの向上、パフォーマンスアップ、ハンドルを搭載した「CF-F8」を開発した。
2007年度の実績では、「TOUGHBOOK」「Let'snote」の合計で66万台を出荷(「TOUGHBOOK」が31万台、「Let'snote」が35万台)。このうち国内が33万台、海外が33万台であった。2012年度には2007年度の2倍となる130万台までアップ(「TOUGHBOOK」が76万台、「Let'snote」が54万台)。米国で新規業界開拓、欧州で業界別販売体制を強化し、新興国では地域別販売体制を確立することで、国内53万台、海外77万台と海外での大幅な伸びを目指すとした。
続いて、Panasonic Computer Solutions CompanyのPresidentを務めるRance Poehler氏が、米国での状況を説明した。
米国では15年以上前から、官公庁、法人を中心に信頼性の高いPCを納品してきた実績を持つ。12年前に、「TOUGHBOOK CF-25」を発売して堅牢PCの市場を開拓。その後、「CF-30」「CF-19」などを登場させビジネスモバイルPCを拡大させてきた。このような製品投入を進めることで、ミッションクリティカルな業務に携わっているユーザーの間では、パナソニック TOUGHBOOKブランドが、丈夫で信頼性の高い、ワイヤレスモバイルPCとして浸透してきた。今回の新製品により、さらにモバイルPCを進化させることができたとした。
最後に、松下電器産業 パナソニックAVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンター 主幹技師 谷口尚史氏が新商品を紹介した。
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「CF-F8」を紹介する松下電器産業 パナソニックAVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンター 主幹技師 谷口尚史氏 |
今後、ノートPCに求められる機能として、可搬性の向上、パフォーマンス向上、大画面液晶の採用を挙げるユーザーが多い |
ノートPCに求められる機能のうち、上位3機能は長時間バッテリ駆動27.1%、軽量さ20.3%、堅牢さ(壊れにくさ)14.3%(IDC Japan2008年4月 ホワイトペーパー Sponsored by Panasonic調べ)となっている。これら機能は、従来の「Let'snote」の基本コンセプトとして進化させ続けてきた。上記基本機能に続きニーズの高い、可搬性の向上、パフォーマンスの向上、大画面液晶の採用を「CF-F8」で実現したとした。パフォーマンスでは、新世代プラットフォーム「インテル Centrino2 プロセッサー・テクノロジー」を採用。160GBの大容量HDD、2GBのメモリーとあわせて、モバイルPCとしては最上位クラスの高性能マシンとなっている。
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ユーザーニーズにあわせ「CF-F8」は、従来の軽量、長時間駆動、タフに加え、パフォーマンスアップ、大画面液晶、可搬性を追及している |
軽量、長時間もさらにブラッシュアップされ、重量約1630g、約9時間のバッテリ駆動を実現している |
大画面液晶では、Let'snoteシリーズ初となる1440×900ドットの14.1型ワイド液晶を搭載。デスクトップ並みの表示情報量を実現。可搬性では本体一体型のハンドルを採用。タフブックと同等の強度を確保しながら、軽量でスタイリッシュな形状を両立。手になじむカーブ型で、持ちやすさ、握りやすさを追求している。軽量化では、ドライブをシェルドライブにすることで50.5gに、ファンも従来比約40パーセント軽量化して35gに(松下の同等CPUモデルとの比較)などを行うことで、光学ドライブと14.1型ワイド液晶を搭載したノートPCで世界最軽量を実現。
長時間駆動では、特殊導光版と高反射リフレクタ、高効率反射シートを採用した高効率バックライトシステム、インテルとの共同開発でCPUとチップセットの能力を最大限に発揮するダイナミック・パワー・パフォーマンス・マネジメント・テクノロジ(DPPM)により9時間の長時間バッテリ駆動を実現した。
頑丈さでは76cm動作落下、キーボード全面防滴、100kgf加圧振動といった従来モデルの頑丈性能を継承。低反発なダンパーでHDDを衝撃から守り、ウォータースルー構造と防水キーボードで内部への水の浸入を防ぐ。ボンネット構造で圧迫などから液晶を保護している。
R、T、W、Yシリーズも冬モデルで基本性能をスペックアップ。R8、T8、W8ではインテル Centrino2 プロセッサー・テクノロジーを搭載し、メモリーを最大3GBまで拡張可能になったほか、R8は8時間駆動を実現した。Y8ではHDDが120GBから160GBに容量アップし、W8では店頭モデル限定でブルーフロスト色の天板を持つモデルが登場した。