2009年後半にIstanbul

さてこれに続く製品が2009年後半に投入されるIstanbulである(Photo03)。ここで氏は、「このIstanbulは、Barcelonaと共通のプラットフォームを利用できる」(つまりBIOS Updateさえ行えれば、そのままCPUの差し替えが可能)事を強調した。

Photo03:久々に出てきたAMDのロードマップ。

またこの2009年には、新しくFioranoプラットフォームを投入することも明らかにした。このFiolanoプラットフォームのリファレンスデザインも公開された(Photo04,05)。ここで新しい話はSR5690とSP5100というチップセット。これは、従来AMD790S+SB710Sという名前で知られていた製品だが、「多くの人がデスクトップ向けとサーバー向けをごっちゃにしてしまうので、名前を変えることにした」との話。つまりAMD790SがSR590 w/IOMMUに、SB710SがSP5100にそれぞれ変わったということだ。ちなみにSRは"System Root"、SPは"System Peripheral"の略だとか。

Photo04:よく見ると、24pinのATXコネクタ以外に、2x2コネクタが2つ、2x4コネクタが2つとかなり重厚な構成。「なんでこんなに電源コネクタが必要なの?」と聞いたが、流石にそこまでは判らなかった。ただ2つのDIMMスロット群の脇にはかなり巨大な電源レギュレータが生えており、仮に各々8slotにDDR2-677が装着される事を想定すると、別に電源コネクタを用意したほうが分断だと判断したのかもしれない。

Photo05:何故かCPUソケットのバックパネル形状が異なる。理由はやっぱり不明。

話をIstanbulに戻すと、これは以前からアナウンスがあったとおり6コアの製品となる。この製品だが、一部には「Triple Coreを2つ、MCMで繋いだ(間はHT 3.0)のでは?」などという観測もあったが、今回Fruehe氏は明確に"Monolithic Dieだ"と断言している。アーキテクチャ的にはShang-haiと殆ど同じという話であった。

このIstanbulは、引き続きメモリはDDR2のままとなる。「DesktopにおいてはMemoryのコストはそれほど大きくないが、ServerにとってはSystem Costの25%近くに達する場合もある。現時点でDDR3は100%~300%のプレミアが付いており、システムコストを抑えるという観点ではDDR3の選択はそれほど賢明とは言えない」(Fruehe氏)のだそうだ。

またロードマップには載っていないが、2009年中旬には、Shanghaiベースの1PサーバーであるSuzukaプラットフォームも投入されるという話だった。