Server CoreのHyper-Vの運用

Hyper-Vの管理にはHyper-Vマネージャを使用しますが、Server CoreにはHyper-VマネージャもMMC(マイクロソフト管理コンソール)も装備していません。Server CoreのHyper-Vを管理するには、フルインストールのWindows Server 2008またはWindows VistaにHyper-Vマネージャをインストールし、Server CoreのHyper-Vをリモート管理します。 Hyper-Vマネージャはマイクロソフトのサイトの以下のURLでダウンロードできます。

Windows Server 2008 x86用Hyper-Vマネージャ(KB950050)

Windows Vista SP1 x64用 Hyper-Vマネージャ(KB952627)

Windows Vista SP1 x86 用Hyper-Vマネージャ (KB952627)

Windows Server 2008 x64では、Windows Updateで最新の状態にしてから、サーバーの役割の追加で、Hyper-Vマネージャをインストールしてください。 インストール後、マイクロソフト管理コンソール(mmcコマンド)を起動し、[ファイル]→[スナップインの追加と削除]メニューでHyper-Vマネージャのスナップインを追加します。[操作]メニューまたは操作ウィンドウの[サーバーに接続]をクリックして、Server Coreコンピュータに接続し、リモートでHyper-Vを管理します。ただし、接続先Server Coreコンピュータの管理者(Administrators)権限が必要です。

Windows VistaにインストールしたHyper-Vマネージャで、Server CoreのHyper-Vをリモート管理。

Virtual Server 2005 R2やHyper-Vベータ版/RC版からの仮想マシンの移行

Virtual Server 2005 R2や、Hyper-Vベータ版、Hyper-V RC版から仮想マシンをHyper-V正式版に移行するには、仮想HDファイルを利用します。残念ながら、Virtual Serverや、ベータ版やRC版のHyper-Vの仮想マシンを正式版Hyper-Vに自動アップグレードすることはできません。Hyper-Vの仮想マシンインポート/エクスポート機能でも正式版に移行できないので注意してください。 基本的な操作手順は以下の通りです。

旧環境での操作

(1)仮想マシンのゲストOSのネットワーク設定を書き留めます。
(2)仮想マシンをシャットダウンします。
(3)スナップショットは削除または適用します。
(4)仮想マシンの設定を書き留めます。
(5)仮想HD(VHDファイル)をバックアップします。
(6)仮想マシンを削除します。

製品版Hyper-V環境での操作

(7)正式版Hyper-Vを更新またはインストールします。
(8)(5)でバックアップした仮想HDファイルを、新しい環境に用意します。
(9)仮想マシンを作成し、仮想HDとして元の仮想HDファイルを設定します。
(10)仮想マシンとゲストOSのネットワーク設定を元通りに再設定します。
(11)ゲストOSがWindowsの場合は、コンソールウィンドウの[操作]メニューで総合サービスをインストールしてください。

なお、Hyper-Vのホストコンピュータを変更したとき、Virtual Server仮想マシンをHyper-Vに移行したときは、仮想マシンのハードウェア環境が変わってしまうため、ゲストOSのWindowsのHAL(Windowsの機種依存部)の変更が必要になる場合があります。ゲストOSを起動したら、まず以下の操作をしてください。

ゲストOSがWindows Server 2008またはWindows Vistaの場合

(1)コマンドプロンプトからmsconfigコマンドを実行し、システム構成を起動します。
(2)ウィンドウの[ブート]タブの[詳細オプション]ボタンをクリックします。
(3)[HALの検出]チェックボックスをオンにして、[OK]ボタンをクリックします。

ゲストOSがWindows 2008またはWindows Vista以外のWindowsの場合

コンソールウィンドウの総合サービスをインストールするときに、「HALアップグレード要求」のウィンドウを表示したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

System Center Virtual Machine Manager 2008

Microsoft System CenterもHyper-Vに対応します。System CenterはActive Directoryドメインを構築したエンタープライズネットワークにおいて、ネットワーク内の多数の資源を統合的に管理あるいは監査するためのネットワーク管理アプリケーションのファミリ名です。System Centerファミリから、ネットワーク内のHyper-VやVirtual Server、VMwareを統合的に管理するSystem Center Virtual Machine Manager 2008(VMM2008)がリリース予定です。 Hyper-Vや仮想マシンの稼働状況を監視するだけでなく、物理コンピュータを仮想マシンに変換したり、仮想マシンを別のコンピュータに移動したり、テンプレートを利用して同じタイプの仮想マシンを簡単に複数作成したりできます。エンタープライズネットワークでHyper-Vを運用するには必須の管理ツールとなるでしょう。ただし、当記事執筆時点でVirtual Machine Manager 2008は未発売であり、ベータテスターにのみベータ版が配布されています。