本稿では、Adobe AIRを使って「自作電卓」を開発する方法を紹介します。注目の技術、Adobe AIRを使って、どのように開発するのかを解説します。ちょっと時間のある休日に一緒に電卓を作ってみませんか。

週末プログラマーにおススメなのがAIR

本職のプログラマーでないとしても、週末にちょっとプログラミングをやってみたいと思っている方は案外多いように思います。そんな週末プログラマーにお勧めなのが、Adobe AIR です。

Adobe AIRなら、開発環境や実行環境を無料で入手できますし、習得の難易度が低いプログラミング言語 JavaScript を使ってプログラムを記述することができます。しかも、作ったものをデスクトップアプリとして配布することができますし、Windows だけでなく、Mac OS X や Linux でも動かすことができるのです。

本稿では、AIR を使って気軽に自作電卓を開発する方法を紹介します。ここで必要となるのは、HTML/JavaScript/CSS といった、Web ページの制作で使うスキルのみです。しかも、それほど高度を知っている必要はありません。ホームページを作ったことがあり、JavaScript について、ちょっと使ったことがあるという方でも、十分理解できると思いますので、ぜひ、挑戦してみてください。

・Adobe AIR の開発環境の整備

Adobe AIRでは、Flash/Flexを使ってアプリケーションを作ることもできますが、ここでは扱いません。HTML/JavaScript/CSSだけを使います。Aptana Studioという無料の統合開発環境あり、これをインストールするのが一番てっとり早く開発環境を整えることができます。

なお、Aptana Studio のインストールから AIRプラグインの追加までを、下記のページで詳しく述べていますので、参考にしてインストールしてみてください。

ゼロからはじめるAdobe AIR - TodoMemoを作ってみよう

北京オリンピックにちなんでレート変換機能付き電卓を作る

さて、ここで作る自作電卓ですが、どんなものを作るのか構想を練ってみようと思います。電卓のお手本と言えば、Windows に標準でついてくる電卓です。この電卓をお手本にしつつ、雑貨屋に並んでいるような外見の一風変わった電卓を目指したいと思います(AIRでは、不定形ウィンドウのアプリケーションを作るのが簡単ですから、凸凹にしてみたいと思います。)。

また、電卓の目玉機能として、日本円と中国元の相互変換機能もつけてみたいと思います(その日の為替レートをネットから取得して計算します。)。

電卓の完成イメージ。その日の為替レートで中国元を計算できます

背景画像を変えてみたところ。背景が透明になるのでウィンドウの形は自由自在