梅雨も終わり、いよいよ本格的な夏を迎えた秋葉原。しかし連休明けということもあってか、今週の新製品はちょっと少なめ。来週はグラフィックカード新製品が大量に登場するというウワサもあり、嵐の前の静けさといったところだろうか。

ところで、今月は電子工作系の書籍が充実していた月であった。10日発売のトランジスタ技術8月号にはUSB接続の小型マイコンボード(78K0搭載)が付属していたし、25日発売のInterface9月号にはイーサネット対応のColdFire基板が付属していた。また電波新聞社からは、「電子工作マガジン」というその名もズバリな雑誌が創刊された。

電子工作マガジンはあの電波新聞社から。トランジスタ技術とInterfaceはCQ出版。全部購入していたのは言うまでもない

こういった付録の基板は、マイコンボードとしては格安なのが特徴。何冊かまとめ買いをする人もいるほどだ。コネクタなどは別途購入して実装する必要はあるが、トラ技の基板はマルツパーツ館、Interfaceの基板は若松通商でパーツのセットが販売されているので、利用すると便利だ。夏休みに、マイコンをちょっと始めてみてはどうだろうか。

トラ技の付録基板とマルツのコネクタセット(399円)

Interfaceの付録基板と若松のパーツセット(3,000円)

780Gチップセットで初のMini-ITX

今週の注目製品は、J&Wから発売となったMini-ITXマザーボード「MINIX 780G-SP128MB」。AMD 780Gチップセットの機能をフルに詰め込んだ製品で、Phenomにも対応する(TDP 95WのCPUまで搭載可能とのことだが、小型ケースに入れるのであれば、65Wまでにしておいた方がいいだろう)。価格は23,000円前後で、入荷数はあまり多くない。

高級そうなパッケージを使用している「MINIX 780G-SP128MB」

作りはしっかりしている。コンデンサは全て固体キャパシタ

最近はAtomマザーボードの影響もあってか、Mini-ITXで23,000円というと「高い」という印象を持ってしまうかもしれないが、以前、690Gチップセットの「KI690-AM2」(Albatron製)が3万円前後だったことを思えば、これでも十分安くなったといえるだろう。Atomの安さが普通じゃないのだ。

インタフェースは充実。VGA/DVIに加えてHDMI出力も装備

Mini-ITXフォームファクタで、最先端のCPU/チップセットの機能を利用できるのは魅力的。メモリはSO-DIMMながら、しっかり2スロット用意されている。既発売のマイクロATXマザーボード「JW-RS780UVD-AM2+」と同様に、基板上にローカルフレームバッファ(DDR2 128MB)を搭載するのも特徴だ。

G43チップセットが初登場

G45チップセットの登場を前に、下位モデルのG43を搭載するマザーボードから発売となった。GIGABYTEの「GA-EG43M-S2H」で、フォームファクタはマイクロATX。パソコンショップ アークでの価格は11,980円。

GIGABYTEのマイクロATXマザーボード「GA-EG43M-S2H」

PCI Express x16スロットはx4動作である点に注意

チップセット内蔵のグラフィックコアは「GMA X4500」とされ、G45の「X4500HD」に比べるとHDビデオの再生がサポートから外されているが、それ以外に大きな違いはない。DirectX 10、Shader Model 4.0はサポートしており、グラフィック出力はVGA/DVI/HDMI端子を備える。

MSIからもAtomマザーが発売に

取材時(25日)には未入荷だったのだが、複数のショップが26日(土)からMSI製のAtom搭載マザーボード「Wind Board」を発売する予定。Atomを搭載するマザーボードとしては、Intelの「D945GCLF」、GIGABYTEの「GA-GC230D」に続いて3製品目。ただし、基板のサイズが17×19cmと中途半端な点には注意。価格は1万円前後となる。

いよいよMSI版Atomマザーボードが発売に。写真はCOMPUTEXでデモされていた3枚重ねのWind Board

Radeon HD 4870初のOCモデル

Radeon HD 4870では定格クロックのモデルしか発売されていなかったが、初のオーバークロックモデル「R4870-T2D512-OC」がMSIから登場した。コアクロックは750MHzから780MHzに、メモリクロックは3.6GHzから4GHzに高速化されたモデル。価格は36,000円前後と、プレミアはほとんどついていないので、お得とも言えそうだ。

Radeon HD 4870初のOCモデル「R4870-T2D512-OC」

Radeon HD 3450もロープロ

先週のRadeon HD 3650に続いて、今週はRadeon HD 3450のロープロファイルモデルが登場している。メーカーは同じくSAPPHIRE。標準でロープロファイルのブラケットが装着されており、DVIとHDMI出力が利用できる(DVI→VGA変換コネクタは付属)。また通常のブラケットも付属しており、付け替えることは可能。価格は6,000円前後。

SAPPHIREのロープロVGA。低価格モデルながら、HDMIケーブルも付属

またまたThermaltakeから水冷キット

冷却関連としては、Thermaltakeから水冷キット「BigWater 780e」が発売となっている。先日登場した「BigWater 770」は5インチベイ2段の製品だったが、780eは3段を占有するモデル。ラジエータなども全て一体となっているので、簡単に水冷を導入したい人にはいいだろう。価格は30,000円前後。

Thermaltakeの新モデル「BigWater 780e」。NVIDIAのESAにも対応する

5インチベイ3段を使用する。流量計付きなので動作の確認に便利

GTX 280も搭載可能なマイクロATXケース

AbeeからマイクロATXケース「AS Enclosure 730GT」が新登場。ミドルタワーケース「AS Enclosure 950GT」のデザインを踏襲したアルミ製のフラグシップモデルで、フロントに5インチベイを7段も搭載している。価格は30,000円前後。カラーはシルバーとブラックの2色が用意されている。

左が新製品の「AS Enclosure 730GT」。右はミドルタワーの「AS Enclosure 950GT」。デザインは踏襲している

このケースは拡張性の高さを謳っており、デフォルトで約240㎜までの拡張カードを搭載可能。内部の5インチサブラダーベイを取り外せばスペースを約300㎜まで延長することが可能で、マイクロATXケースながら、GeForce GTX 280のような長さのあるカードでも搭載できるという。

今週のお買い得情報

1TB HDDの価格が下がっている。すでに、ビット単価では500GB HDDを下回ることも多くなっていた1TB HDDであるが、ドスパラ秋葉原本店では決算セールということで、Western Digitalの「WD10EACS」(SATA/キャッシュ16MB)がなんと12,980円。ここまで下がると、もはや500GBモデルを選ぶ理由はない。また先週ご紹介した同ショップのCrossFireセット「GIGA-KIBA48」だが、値段がさらに下がってお得に。

ついに1TB HDDが13,000円以下に。主流は500GBから1TBに移りそうだ

これだけ入って75,800円はお得。相性は全て検証済みなので安心だ