オープンソースの高機能グラフィックソフト「GIMP」が、次期メジャーバージョンのGIMP 2.6に向けて開発速度をあげている。16日に公開された最新開発版「GIMP 2.5.2」では、PC-UNIXを中心に普及しているGUIツールキットの次期バージョン「GTK+ 3.0」に備え、コードの整備が開始された。

GIMPプロジェクトは、マイナーバージョン (2番目の数字) が偶数のものは安定版、奇数のものは開発版という位置付けで開発を進行。GIMP 2.5系の開発成果は、次期メジャーバージョンのGIMP 2.6に反映されるもので、現行バージョンのGIMP 2.4系に比べ実験的な機能が多く採用されている。

GIMP 2.5系では、描画機構の一部を、デバイス非依存のベクタグラフィックスライブラリ「Cairo」をしたものに移行開始。画面要素の透過表示など、多様な表現が可能となった。内部の描画エンジンについても、次世代のGEGL (Generic Graphical Library) への移行も着手され、完了すれば16ビット / 浮動小数点精度のカラースペースを用いた処理がサポートされるようになる。

GIMP 2.5.2では、当初GIMPで使用するために開発され、現在では別プロジェクトとして開発が進められている「GTK+」について、次期バージョンの公開に備えた準備が開始された。次の「GTK+ 3.0」は、Imendio社がベルリンで5月に開催された「GTK+ Hackfest」においてロードマップを示したものの、Gnome側が難色を示すなど、開発者間の調整が続いている。