PC-UNIX向けの3Dウインドウマネージャー「Compiz」で、複数の入力装置の同時使用を可能にするX.Org X11の追加機能「MPX」がサポートされる。開発の中心人物であるPeter Hutterer氏が、自身の運営するブログで明らかにしたもの。Compizの開発リポジトリには、すでにMPXブランチが用意されている。

9日に投稿された記事によれば、現時点でCompizの基盤機能 (Compiz Core) は入力機構のXI2 (X Input 2) をサポートするほか、複数の入力装置を用いたウインドウの移動やリサイズを可能にするプラグインを利用できる。実際に試したウインドウのリサイズは2方向だが、理論上では4方向が可能という。MPXは、来年までにリリース予定のX.Org X11 R7.5で正式採用される見込み。

MPX (Multi-Pointer X server) は、X.Orgが開発する「X.Org X11」の追加機能として開発が進められ、1台のコンピュータ上で複数のマウス / キーボードの同時使用を実現する。通常のXサーバは、1組のマウス / キーボードしか入力装置として同時使用できないが、MPXの機能により複数のユーザが1つのアプリケーションを同時に操作したり、異なるアプリケーションをそれぞれ実行したりなど、従来のPCにおけるコラボレーションの枠にとらわれない作業が可能になる。作業の様子は、YouTube上で公開されている動画で確認できる。