金融庁はこのほど、インターネットバンキングなどにおける2007年度の被害状況を発表した。これによると、ネットバンキングの被害件数は2006年度の100件に比べて、2007年度は231件と倍増。金融庁では、「フィッシング詐欺などのほか、原因の分からないケースも多く存在する」と話しており、より高いレベルのセキュリティ対策が求められている。

金融庁によると、ネットバンキングの被害件数は、2005年度が49件。2006年度が100件、2007年度が231件だったため、毎年度倍増していることになる。

犯罪者の手口は、偽のサイトに情報を入力させてだまし取るフィッシング詐欺などが主だが、「原因の分からないケースも多く存在する」(金融庁)。各行では、毎回パスワードが変わる「ワンタイムパスワード」の導入や、ログインパスワードと資金移動の際のパスワードを変えるなどの対策を行っているが、捜査機関による検挙率は非常に低いのが現状

一方、偽造キャッシュカードによる被害は前年度比27件増の663件、盗難キャッシュカードは同1,912件減の4,955件、盗難通帳は同10件減の244件。横ばいあるいは微増傾向となっており、ネットバンキングの急増ぶりとは対照的な動きとなっている。