『グランド・セフト・オートIV』に登場する人物、事件などは全て架空のものです。
また、暴力シーン、銃撃シーン、流血シーンが含まれます。
CEROレーティング : Z (18才以上のみ対象)
※18才未満の方にはご購入できません。

シリーズ全体の累計売り上げ本数が6,500万本を超える大人気タイトル「グランド・セフト・オート」。その最新作にして約7年ぶりのナンバリングタイトルとなる『グランド・セフト・オートIV(以下、GTA IV)』も、今年4月29日に海外で発売されるやいなや、初週販売本数が600万本を突破し、約5億ドルというエンタテインメント史上最高の売上高を記録している。

そんなビッグタイトルが日本市場に登場するのを待ち望んでいるファンも少なくないだろう。残念ながら、日本での発売日は2008年ということで、詳細な日時は現在のところ未定となっているが、そう遠くない日であることはまちがいない。そこで今回は、カプコンから公開された最新情報をもとに、ひと足早く『GTA IV』の世界を覗いてみることにしよう。

舞台はもちろん「リバティーシティ」だが……

『GTA IV』の舞台となるのは「リバティーシティ」。シリーズの舞台として何度か登場している街だが、本作に登場するリバティーシティは、かつてのものとは"違う"。名前こそ馴染み深いが、その街自体は"完全に生まれ変わった"リバティーシティとなっているのだ。マップの広さはGTAシリーズ最大となる『サンアンドレアス』のおよそ80%。それでもかなりの広さだが、開発陣が注力したのは、規模の拡大ではなく密度の「深化」である。密度を増して再構築されたリバティーシティは、街の人々の行動はもちろん、街頭のチラシをはじめ建物や看板の細部まで細密にデザインされ作り込まれている。カーラジオをひねると流れてくる音楽や、各所で行われるショーやカルチャーはまさに現実と違わぬ程の息遣いを放っている。プレイステーション 3、Xbox 360といった次世代機がベースとなることによって、シリーズ史上、最上級のリアリティが実現されているのだ。

ニューヨークをモチーフに作られた「リバティーシティ」には現実の名所と似た場所がいくつも存在する。また建物内への移動はシームレスとなった

ショッピングや観光、高級レストランでの食事やバーでの飲酒、美術館での芸術鑑賞。これらすべてを行う場合、リバティーシティほど適した場所はない。リバティーシティはアルゴンキン、デュークス、ブローカー、ボーハンの4つの区からなり、アルゴンキンの高層タワー群の脇を流れるウェストリバーの対岸にはオルダニー島があり、それぞれが特徴的な風土を持っている。観るものがたくさんあり、やれることがたくさんありすぎて、どこに行こうか散々迷う街。世界で最も人口密度が高く、活気があり、自由・金・野心・欲望、そして失敗と成功のすべてを呑み込む街。それがリバティーシティだ。

息遣いまで感じられる!? 人間臭さとリアリティを実現

「GTA IV」では、前作までのように同じ人物が幾人も街を歩いているようなことはない。年齢、性別、容貌、ファッションなどあらゆる要素の異なる人物たちが、咳き込んだり、くしゃみをしたり、タバコを吸ったり、本を読んだり、コーヒーを飲んだり、ホットドッグスタンドで買い物をしたり、公衆電話や携帯電話を使ったり、独り言を言ったり……。それぞれがまったく異なる行動をし、リバティーシティで生活している。

街を行き交う人々に同じ人物はいない。それぞれがそれぞれの思考に従って行動しているのだ

人々のリアクションも千差万別。歩行中に肩がぶつかっただけで喧嘩を売ってくる若者もいれば、謝る礼儀正しいサラリーマンもいる。目の前で武器を構えただけで逃げ出す者もいれば、果敢に立ち向かってくる者もいる。犯罪行為を目撃した歩行者は携帯電話で通報することさえあるのだ。このように存在する人々は、かつてないほどの人間臭さとリアリティを体現しながら、リバティーシティでの生活を営んでいる。ありきたりな現実感を遥かに凌駕した現実が、そこにはあるのだ。

繁華街では買い物に興じる人々が行き交う

新聞を読みながら歩く人も。新聞も細部まできっちりと作りこまれている

ストリートにはホットドッグスタンドも。食べると体力が回復する

リバティーシティの天候はさまざま。昼夜、天候によってミッションの達成のしやすさにも変化が……

『グランド・セフト・オート IV』プロローグ

「オレは遂にアメリカンドリームを実現したぜ。風呂が4つもあるデカい家。ガレージには15台のスポーツカー。女だって2人いる」。ローマンのメールには景気のいいことばかり書いてある。アイツを知っている人間なら、誰だって疑いたくなる話だ。だが、信じてみたくはある……。

このオレのクソみたいな人生も、あの街でなら、何かが変わるかも知れない。あの街、リバティーシティなら……。

これが主人公のニコライ・ベリック(通称ニコ)。東欧出身。歳は30代半ば。祖国で大きな挫折を経験し、従兄弟のローマンの成功にあやかろうとリバティーシティを訪れる。だがローマンは成功どころか大きな借金とトラブルを抱えており、ニコもそれに巻き込まれてしまう……

キャラクターにはNaturalMotion社の「Euphoria(ユーフォリア)」というモーションエンジンが採用され、人物のリアルな仕草や動き、表情を再現。これにより濃密な世界で繰り広げられる壮大なドラマに一層没入できることになる

車やヘリ、電車も登場。作り込みには一切の妥協なし

リバティーシティは車で溢れ返っている。道路に数珠繋ぎに連なるその様子は、まるでカージャックされるのを待っているかのようだ。だが気を付けろ。なかには易々と車を引き渡さない奴もいる。車を奪っても執拗に追いかけ、ときには車から引きずり出されたうえにボコボコにされ、奪い返されるなんてこともあるのだ。最近では防犯意識が高まっているせいか、しっかりとセキュリティが施された車も増えてきた。そんな車は窓を壊してしまえば容易に拝借できるが、犯罪行為を通行人に目撃されたら途端に携帯で通報されてしまう。犯罪者には生きにくい世の中になったものだ……。

ぶつけた部分がヘコむなど、車のダメージ表現がリアルになった。この画像のようにタイヤがバーストしたまま走ると、やがてゴムが外れてホイールだけになってしまう。また、車にはカーナビがついており目的地までのルート検索が可能になっている

従来のシリーズ同様に、本作ではたくさんの乗物が登場する。本物と見違えるほどの車やヘリ、ボートや電車。リアルなのは見た目だけではなく、操作感や挙動、エンジン音、ボディの強度から内部の構造に至るまで、作り込みには一切の妥協がない。

重要なカギを握る新アイテム「携帯電話」が登場

『GTA IV』から新しく追加された「携帯電話」は、非常に重要なアイテムだ。ケータイを使えば、他の人物にいつでも電話をかけることが可能となる。電話をかけたり受けたりすることでミッションが始まったり、トラブルに巻き込まれたり、遊びやデートのアポイントをとったりと、様々な可能性が広がっていく。さらにケータイはメールも受信可能。現実世界と同様にリバティーシティにおいてもケータイは人間関係を構築するうえでのマストアイテムとなっているのだ。

実際のケータイと同様にカメラが搭載されていたり、着信音が変えられたりと、その機能と用途は多岐に渡る。これらの機能と活用方法については今後公開される情報を楽しみに待ちたい

「GTA」シリーズではすっかりお馴染みのタクシー。本作では、なんとタクシーに客として乗れるようになった。タクシーに乗ると目的地が設定できるようになり、プレイヤーが希望する場所まで運んでくれる。これによって、プレイヤーは目的地までの煩わしい運転から解放されるのだ。タクシーに乗り込んだあとは、目的地までの道のりを観光気分で楽しむこともできるし、急ぐならドライバーに割増料金を払えば、目的地まで一気にスキップすることもできるのだ。

ケータイを使ってタクシーを呼び出すことも可能。ケータイを使えばタクシーだけでなく、警察・消防・救急も呼び出すことができる

警察の目をかいくぐれ! 犯罪にはそれ相応のリスクあり

『GTA IV』における犯罪の重みは、これまでのシリーズとは大きく異なる。目撃者がいる限り、あらゆる犯罪行為が手配に繋がるのだ。これは人ごみの中で銃を構えただけでも大騒動に繋がる可能性があることを意味する。また、前作までの警察官はまるで透視能力者のように主人公の居場所を察知して追跡してきたが、本作では彼らも主人公を"目"で捜すことになる。追跡をかわすには、彼らの視界からいかに外れるかが重要となるわけだ。 このように犯罪はより現実的な概念となり、現実と同様のリスクを背負うことになった。自由への代償は大きい。だからこそ自由の価値は大きいのだ。

一般人の目の前で犯罪を犯せば、携帯電話で通報される可能性がある。警察の視野内で犯罪を犯すと確実に手配度が上がるので、捕まりたくなければおとなしく生活した方が身のためである。手配度が上がるにつれ、パトカーなどの警察車両が増え、更には道路封鎖も始まり、最終的にはN.O.O.S.E. (National Office of Security Enforcement)が出動。犯人を確実に仕留めるための強行手段をとってくる

『GTA IV』とは――次なる革新への決意表明

最後に、『GTA IV』の日本語版ローカライズディレクターである江口篤洋氏のコメントを掲載しておこう。


GTAシリーズは、かつて『III』で1つの転換点を迎えました。表現は2Dから3Dへと革新を遂げ、徹底的に作り込まれた世界観と自由度の高さが、世界中のゲームファンを熱狂させたのです。シリーズは以降『バイスシティ』『サンアンドレアス』と正当進化を続け、ファンの数を確実に増やしてきました。

しかし今作『IV』は、これまでと同じ開発手法はとられていません。プラットフォームを新世代機に移し、表現力は格段に向上しました。しかし開発元であるロックスターゲームスは、単にグラフィックを綺麗にし、世界を広くし、選択肢を増やしただけのGTAを世に送り出そうとはしませんでした。

なぜGTAにはこれまで『IV』が出なかったのか? そしてなぜ今作が『IV』なのか? その意味を考えれば、自ずと答えが見えてきます。それは、進化から"革新"へと踏み出した彼らの決意の現れ。プラットフォームを新世代にするなら、映像表現だけでなく、プレイヤーのゲーム体験そのものを新たなる次元へ引き上げよう。彼らはそう考えたのでしょう。

このナンバリングは、ロックスターゲームスがこのシリーズを再び"革新"することの決意表明なのです。かつて『III』が登場した時に巻き起こった一大センセーションは、このシリーズのみならずゲームシーンそのものに大きな変革をもたらしました。そして今『IV』が、次なる変革を我々に示そうとしています。

初日の販売本数360万本。売り上げのギネス記録更新。現在海外から届くわずかな情報ですら、このタイトルがただのゲームではないことを証明しています。私も『III』以来ずっとこのシリーズの日本語化に携わってきた者として、かつてないほどの期待感を抱いています。一ゲームファンとして、これほどワクワクしているのは久しぶりです。それはきっと、みなさんが抱いている予感めいた期待と同じなのでしょう。『IV』はきっと、何かが違う……。

日本語版の開発はまだまだ始まったばかりですが、ファンの皆さんの前になるべく早く、なるべくそのままの形でお届けできるように頑張っています。是非ご期待ください!!!


ゲームタイトル グランド・セフト・オートIV
対応機種 プレイステーション 3
Xbox 360
ジャンル ボーダレスアクション
発売予定日 2008年 価格 未定
開発元 Rockstar Games 発売元/販売元 カプコン
CEROレーティング Z (18才以上のみ対象)
(C) 2008 Rockstar Games, Inc.