米ブレード・ネットワーク・テクノロジーズ社は、ラックレベルの仮想化に対応した10ギガビット・イーサネット・スイッチ「RackSwitch G8000」(以下G8000)と「RackSwitch G8100」(以下G8100)を発表した。

G8000とG8100は、1Uタイプのラックマウント型スイッチで、G8000はギガビット・イーサネット48ポートと10ギガビット・イーサネットを最大4ポートサポート。一方のG8100は、10ギガビット・イーサネットを24ポートサポートする。

「RackSwitch G8000」

「RackSwitch G8100」

RackSwitch G8000とG8100の特徴

両スイッチは、ラックレベルのネットワーク仮想化に対応。同社によれば、この機能のサポートは業界初だという。具体的には、複数のスイッチが仮想的な1台のスイッチとして動作することを可能にするラックレベル・ネットワーク仮想化ソフトウェア「SmartConnect」、物理サーバレベルでの仮想化環境の移行を追随し、ネットワークの属性やネットワークのセキュリティポリシーを移動・変更する「VMready」、異なったデータセンターにあるスイッチなど千台以上を管理可能な「BlaeHarmony」によって実現される。

「SmartConnect」

VMready」

また、米国内で特許を取得している前から吸気して後ろから排出するラック向けのエアフロー設計により、ラック内のホット・ループの問題を解決しているという(型番の違いにより、後ろから吸気して前から排出するモデルもある)。さらに、ロスレス属性やHPC向けの低遅延特性により、SAN、LAN、クラスタ間通信を10G Ethernetに統合でき、コスト削減や低消費電力を実現できるという。

ホット・ループの問題を解決するエアフロー設計

SAN、LAN、クラスタ間通信を統合

G8000の価格は126万4,000円からで、7月中旬より発売、G8100の価格は274万9,000円からで、8月中旬より発売される予定(価格はいずれも税抜き)。

ブレード・ネットワーク・テクノロジーズは、2006年2月に米ノーテルから分社化する形で設立され、ブレードサーバ向けスイッチでは、ワールドワイドで45%のシェアを持っている。今年の4月には、日本支社を開設、また今後1年以内に国内にR&Dセンターの開設も計画している。

同社の社長兼CEOのビクラム・メータ氏は、「(今回発表したスイッチが)ネットワークベンダーとして10億ドルを稼ぐ企業になるための1つの基盤になる」と述べた。

「RackSwitch G8000」を手に説明する社長兼CEOのビクラム・メータ氏

カントリーマネージャの太田安信氏

また、日本のカントリーマネージャの太田安信氏は、日本における適用領域について、金融、製造、大学・研究期間向けのHPC市場、オンラインゲーム、データセンター、ISP、ASP等の仮想化市場などを挙げた。

日本におけるRackSwitchの適用領域