米YouTubeは6月19日 (現地時間)、映画作品をYouTube上で公開する「YouTube Screening Room」を明らかにした。「世界最大のシアターを通じて、映画作品とオーディエンスを結び付ける。フィルムメーカーにとっては上映の場、YouTubeユーザーにとっては2週間ごとに高品質な映画コンテンツと出会える場になる」としている。

Screening Roomは、幕で囲まれた映画館のようなデザインのページとなっている。公開作品の大部分は国際映画祭で上映済みだというが、初めて多数のオーディエンス向けに公開される作品もあるという。公開は2週間おき。現在公開されているのは、すべて4~16分の短編作品だ。米国での報道によると、公開作品には1GBまでのサイズ制限があるという。YouTubeメンバーはログイン後、視聴した作品のレート付け、共有、コメントが可能だというが、現時点でコメント欄はまだ用意されていない。

インディペンデント映画製作者にとって、Screening Roomは作品を広く公開し、視聴者からのコメントを直接集められる場だけではない。映画の説明のセクションには「BUY NOW」という、各作品またはメーカーのWebサイトにリンクされたボタンが用意されている。例えば現在公開中のアニメーションオペラ「Love and War」(Gold Lion Film Festival、Nordic Panoramaで短編賞獲得)でBUY NOWをクリックすると、高画質版を2.99ドルで購入できる同作品のページが開く。現時点でビジネスモデルに関する情報は公開されていないが、おそらくGoogle/ YouTubeの広告プラットフォームとの融合も視野に入っているだろう。映画作品を売上げにつなげる新たな方法としても注目されそうだ。

YouTubeによると、今後数ヶ月の間に、UK、カナダ、ドイツ、アイルランド、オーストラリア、オーストリア、フランス、ケニアなどの作品が公開されるという。さらに「これ(Screening Room)は、世界中の素晴らしい映画作品を観られるだけではなく、その背後にいるフィルムメーカーと会話するチャンスにもなる」と、ソーシャルネットワークと映画公開の融合の効果をアピールしている。