発展途上国の子供たちに低価格PCを提供するプロジェクトを進める非営利団体One Laptop Per Child (OLPC)は米国時間の5月20日、低価格ノートPC「XO」の第2世代モデル「XO-2」の開発を明らかにした。2つのディスプレイを備えた、ニンテンドーDSのようなデザインになる。
OLPCは第2世代での目標として、コスト削減、消費電力削減、小型化、Eブック機能の強化などを挙げている。初代モデルが発表されたときには、「100ドルPC実現」という目標が話題になった (現在のXO-1の価格は188ドル)。第1世代で低価格ノートPCプログラムが広く知られるようになり、採用のハードルが下がったことに加え、パーツ・コストの下落や低価格PC向けソフトウエアの開発動向を考慮し、第2世代は1台75ドルの実現を目標にするという。XO-1の消費電力は2~4ワットと、一般的なノートPCの1/10程度を実現しているが、第2世代では目標を1ワットに引き下げる。サイズも第1世代の半分程度にし、子供たちが難なく持ち歩けるようにする。盗難防止の目的を含むホワイトとグリーンの独特な本体色はXO-2にも引き継がれるそうだ。
Eブックとしての操作性を高めるためにXO-2は、2枚のタッチディスプレイを装備する。縦置きのEブック・スタイルでは、左右に1ページずつ表示され、本を開いて読むような状態になる。ほかにもタブレット・スタイルのほか、片面にソフトウエア・キーボードを表示したクラムシェル・スタイルでの利用が可能だ。デュアル・タッチディスプレイはOLPCの元CTOであるMary Lou Jepsen氏が設立したPixel Qiがデザインした。2画面を利用したアプリケーション、複数言語への対応を含むキーボードのカスタマイズなどのメリットを備える。
XO-2の提供開始は2010年を予定している。また2009年の春にはXO-1のパーツを減らしてコストを削減したXO-1.5をリリースする計画だという。
OLPCによると、2007年11月に生産開始されたXO-1は、ペルー、ウルグアイ、モンゴル、ハイチ、ルワンダ、メキシコ、カンボジア、エチオピア、ガーナ、イラク、アフガニスタンなどで採用されている。北米で展開したGive One Get Oneプログラムを含めて、これまで60万ユニットが出荷された。