iPhone向け「Fring」の画面サンプル

P2PのVoIP/チャットサービスを提供するFringは4月15日(英国時間)、AppleのiPhone向けVoIPアプリケーションの提供を開始した。iPhoneに内蔵された無線LAN機能を利用することで、電話番号の呼び出しや各種IMアカウントとのボイスチャット/テキストメッセージングが可能になる。

現在提供されているのはプレリリース版にあたる開発途中バージョンで、Furingcubatorのページからダウンロードが可能。また専用アプリケーションのインストールが必須となるため、Fringによれば、あらかじめiPhoneを"Open"な状態にする必要があると述べている。

Fringサイト上のブログでは、YouTubeの映像などが公開されている

Fringは元ICQの創設メンバーらによって起ち上げられた、P2Pのコミュニケーション・サービスを提供するスタートアップ企業。IMサービスの草分けともいえるICQの出身地でもあるイスラエルを拠点としており、今回のアプリケーションもイスラエルにあるホロン工科大学(Holon Institute of Technology)の開発した技術がベースになっている。Fringのサービスは携帯電話などのモバイル端末を介して、音声チャットやテキストチャット、プレゼンス機能を利用できる。また他のIMサービスとの相互連携できる点も特徴で、ICQやSkype、MSN Messenger、Yahoo Messenger, Google Talk, AIM, Twitterといった各種SIPサービスをサポートする。

今回の発表は、このFringサービスをiPhoneで利用するソフトウェアの開発途中バージョンの提供開始である。だが同ソフトウェアは専用アプリケーションのインストールが要求されるため、現時点ではiPhoneのオープン化(「Jailbreak」と呼ばれる)作業が必要となる。同行為はサポート対象外である点に注意したい。インストール後はFringのアイコンがiPhoneのホーム画面に出現し、タッチ操作で各種機能の呼び出しが可能となる。正規サポートでない点は残念だが、iPhone活用例の1つとしては面白いアプリケーションだろう。