日立製作所は、指の静脈パターンによって個人認証を行う「機器組み込み用指静脈認証ユニット」を2月1日から発売する。金庫やオフィスの入退出管理装置、ロッカー、勤怠管理システムなどの個人認証が必要な機器に組み込んで利用する。1ユニットにつき最大1,000の静脈パターンを登録できる。1回あたりの認証時間は1~2秒。

「機器組み込み用指静脈認証ユニット」のイメージ図

本製品は、指の静脈パターンの画像を使って個人認証を行うもの。画像の撮影は、近赤外線を指に透過させることによって行う。撮影した画像をもとに静脈のパターンを検出し、それをあらかじめ登録してあるパターンと比較して個人認証を行う。皮膚の内側にある静脈を利用することで、指の表面に傷や肌荒れ、汚れなどがあっても高い精度で認証を行える。さらに認証のためのデータが小さいので、メモリに制限のある組み込み機器においても利用できる。また、処理も高速である。

本製品の外形寸法は55×77×68mm、重さは約76g。使用温度範囲は0~40℃、使用電源は5.0V。通信にはシリアルインタフェースを利用する。本人拒否率(FRR)は0.01%、他人受入率(FAR)は0.0001%、登録未対応率(FTER)は0.03%未満。なお、本製品は指静脈の撮影から指静脈の登録データとの認証および照合までの処理が行える。

同社では、「日立指静脈認証装置」や「指静脈認証管理システム」を販売している。これらと今回発売する機器組み込み用指静脈認証ユニット」を組み合わせ、トータルなシステムとしての提供も行う。