フィンランドNokiaは24日(現地時間)、2007年第4四半期(10-12月)の業績報告書および2007年通年の決算報告書を発表した。第4四半期の売上高は前年同期比34%増の157億1,700万ユーロ、純利益は同44%増の18億3,500万ユーロで、増益増収となった。1株当たり利益は0.47ユーロ。同期、シェアは40%に達した見込みという。

第4四半期の営業利益は、前年同期比64%増の24億9200万ユーロ、営業利益率も前年同期比から増えて15.9%となった。

同期、携帯電話の販売台数は1億3,350万台。これは、前年同期比27%増、前四半期比20%増となる。同社では、業界全体の携帯電話販売台数を、前年同期比16%増の3億3,600万台と見積もっており、業界平均成長率を上回ったうえ、シェア40%を獲得したとしている。調査会社のStrategy Analyticsが発表した報告書でも、Nokiaのシェアは40.2%となっている。

中でも、多機能を搭載した「コンバージェンス端末」と呼ばれる分野で、同期に1,880万台を出荷した。このうち、ハイエンドのマルチメディアライン「Nseries」が1,100万台、ビジネス向けの「Eseries」が200万台を占めるという。業界全体のコンバージェンス端末の販売台数は4,010万台という。

同期、「Nokia N95」「Nokia N95 8GB」、それに「Nokia N73」などが好調だったという。N95は、米Appleの「iPhone」と比較される同社のフラッグシップ端末だ。ハイエンドではこのほか、「Nokia E65」「Nokia E90」「Nokia E51」も売れ行きが好調だったという。

端末の平均販売価格(ASP)は83ユーロとなり、前四半期の82ユーロからは改善したが、前年同期の89ユーロからは下がった。これについて同社では、エントリクラスの端末の販売台数比率が増えたこと、米ドル為替レート変動の影響を受けたとしている。

地域別にみると第4四半期、北米を除くすべての市場でシェアを伸ばした。中でも、中東・アフリカ地区が好調で、前年同期比52.3%増だったという。アジア太平洋地域は43.5%増、中国は38.4%増だった。

通年では、売上高が前年比24%増の510億5800万ユーロ。純利益は同67%増の72億500万ユーロで、1株当たり利益は1.83ユーロとなった。2008年の見通しについて、ASPの低下、シェアの維持などを挙げている。

また、昨年独Siemensと立ち上げたネットワーク事業合弁企業・Nokia Siemens Networksの売上高は45億8,300万ユーロで、前四半期から24.7%増えた。かつてのノキア単体のネットワーク事業部と比較すると、前年同期比25%増だという。ネットワーク分野は今後も微成長にとどまる予想で、業界平均を上回る成長を目標にするとしている。2008年中に20億ユーロのコスト削減到達を目指す。