ペンタックスは、1460万画素CMOSセンサーやライブビュー機能を搭載した「K20D」を3月上旬に発売すると発表した。価格はオープンだが、推定市場価格はボディのみで15万円前後。同日に発表された「smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL II」を同梱したレンズキットも発売され、価格は16万円前後。

K20D + smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL II

「K20D」はハイアマチュア向けデジタル一眼レフカメラとして人気を博した「K10D」の後継機にあたる。

撮像素子はAPS-Cサイズ(23.4×15.6mm)の新開発の有効1460万画素CMOSイメージセンサー。画素周辺の回路面積を抑え、1200万画素クラスと同等の受光面積を確保。合わせて従来の撮像素子に比べて奥行が約60%という薄型設定とした。また、CMOS内部での感度を向上してノイズを低減。常用感度でISO100からISO3200、カスタム設定でISO6400までの増感が可能になった。

センサーシフト方式の手ブレ補正機構「SR」の補正効果は従来通り約4段分だが、CMOSセンサーの軽量化やフレキブル基板の取り回しの改善などでヒット率を向上。ゴミの写り込み対策として、ローパスフィルターにSP(Super Protect)コーティングを施し、手ブレ補正機構「SR」を利用してCCDを振動させゴミを振るい落とす。さらに新機能として、ダストアラート画面でゴミの付着状況を確認することが可能になった。

液晶モニターで被写体を確認しながら撮影できるライブビューを新たに搭載。オートフォーカスも使用できる(ミラーダウン→AF→ミラーアップ)。手ぶれ補正も有効で、撮影時でもモニターで補正効果が確認できる。液晶モニターは、約23万画素の2.7型TFT方式で、視野角は160°を確保している。また光学ファインダーはペンタプリズムを採用。視野率は約95%、倍率は約0.95倍となっている。オートフォーカスの測距点は11点(中央部9点はクロスセンサー)。

連写性能は、約3コマ/秒で連続39コマ(JPEG最高画質)、14コマ(RAW)の撮影が可能。新たに採用した「高速連写」では、電子シャッターを使用することで約21コマ/秒、最高約115コマの連続撮影が可能になる(記録画素数は1.6M固定)。

画像処理エンジンは一眼レフ専用の「PRIME(PENTAX Real Image Engine)」を搭載。画質仕上げは従来の「ナチュラル」と「鮮やか」の2種類から、6種類に拡大した。モノクロはフィルタ効果も用意されている。また、ダイナミックレンジを広げ、適正なコントラストを保ったまま白飛びを抑えて撮影する「ダイナミックレンジ拡大」機能を搭載。約1EVの拡大効果が得られるとしている。この場合、基準感度がISO200になる。

「デジタルプレビュー」と呼ばれる、バッファを利用したRAWに頼らない画像調整が可能になった。撮影直後のプレビューでホワイトバランスなどを設定しなおし、保存が可能。バッファ内のデータを使用するため画像の劣化はない。

所有するレンズ特性に合わせたAF微調整機能を備えた(Fレンズ以降のレンズに対応)。レンズ20本まで記録できる。また「ハイパープログラム」「ハイパーマニュアル」「感度(Sv)優先」など、ペンタックス独自の露出設定機能はK20Dでも引き続き搭載されている。オプションのバッテリーグリップもK10Dと共通の「D-BG2」を使用する。

そのほか「K20D」の主な仕様は以下のとおり。ペンタックスバヨネットKAF2マウント、TTL開放16分割測光、電子制御縦走りフォーカルプレーンシャッター、シャッター速度:1/4000~30秒、内蔵ストロボ:ガイドナンバー約13(ISO100・m)、記録メディア:SD・SDHCメモリーカード、サイズ:141.5(W)×101(H)×70(D)mm、重量:約715g(本体のみ)。

正面。ペンタックスのロゴを正式の縦長フォントに変更。マウントは超音波モーターに対応したKAF2

背面。手ブレ補正レバーの形状を変更し、誤って切り替わらないように配慮

左面。握りやすいグリップ部にはSDHC対応のメディアスロットを備える

右面。JPEGとRAWを切り替えるRAWボタンと、AF切り替えボタンを備える

上面。右肩には液晶パネルを装備。シーンモードダイヤルは持たない

K20DとDA 16-45mmF4ED AL。標準レンズはセットの18-55mmでなく、16-45mmが想定されている

新開発のCMOSセンサー。総画素約1507万画素、有効約1460万画素

ペンタ部分にはガラス製ペンタプリズムを使用

ペンタックスの画像処理エンジン「PRIME」

ボディシャーシは強靭なステンレスを使用