全米家電協会(CEA)が主催する「2008 International CES」の開幕を控え、CEAのPresident兼CEO、Gary Shapiro氏は日本の報道関係者向けにグループミーティングの機会を設けた。今年のCESの概要や見所などが語られている。その内容をお届けしよう。

CEAのPresident兼CEO、Gary Shapiro氏

CESが初めて開催されたのは1967年のニューヨークにさかのぼるとされるが、今回のCESはその長い歴史の中でも最も大きなものになるとShapiroは語る。出展社数こそ前年並みだが、展示会場の広さは過去最大級で、イベント規模は相変わらず拡大傾向にあるようだ。ちなみに、出展者を除く日本人来場者の数も増加しているそうで、昨年のCESで1700人強とされた日本人来場者が、今年はさらに1割ほど増える見込みだという。

Shapiro氏は、今回のCESでは「デジタルコンバージョン」に期待していると述べる。通信と放送、PCと家電など、コンシューマエレクトロニクスの分野でこれまであったような垣根を超え、新たな価値が生まれることを期待しているということだろう。同氏は特にコンテンツとホームネットワーキング、デバイステクノロジの3点をあげ、それぞれが支えあう3本足の椅子に例える。

ちなみに、7日(現地時間)にはShapiro氏と松下AVCネットワークスの坂本俊弘社長による基調講演が予定されているが、そこで「素晴らしい発表を行なう」(Shapiro氏)のだそうだ。同講演内では国家間の自由貿易に関しての話題が用意されており、関連する米国政府の代表も登場するという。

また、CES開幕の直前、Warner Bros. EntertainmentがBlu-rayへの一本化の方針を発表し、CESでの関連イベントにも影響が出始めている。「Warnerは、できればCESで最初に発表してほしかった(笑)」(Shapiro氏)。同氏は来年のCESまでには事態が収束すると見ているようだが、特にHDTVの普及率が高いとされる米国市場では、Blu-rayとHD DVDの闘争について大きな影響が懸念されているそうだ。

Bill Gates氏に代わるキーマン

特に大きなトピックなのが、今年が最後と言われるMicrosoftのBill Gates会長の基調講演。CESの名物でもある同基調講演だが、Gates氏が去った後、その後釜にあたるような人物は見つかっているのだろうか? Shapiro氏に質問したところ、「任天堂の岩田聡社長はどうだ? いい考えだろう(笑)」。

過去に例が無いわけではないが、少なくとも近年のCESでは任天堂はブースそのものを構えておらず、どこまで本気でそういった考えがあるのかは微妙……。ちなみに基調講演の人選は「それぞれの分野で一流」、2009年の面子は「5人」とされており、今年同様に来年も1人は日本人を予定しているとか。実現すれば確かに面白そうだ。