中央ボタンでカーソルをマウスのように操作できる独自の「ニューロポインター」が特徴のN905i(NEC製)。NEC製の端末としては初のワンセグ受信機能搭載モデルだ。本体は2軸ヒンジで液晶部分が反転する仕組みで、反転させると画面が横表示になり、設定によってワンセグかカメラが起動する。

N905i

N905iではカメラ機能が向上。外側カメラは有効520万画素CMOSカメラで、手ブレ補正・被写体ブレ補正の2つのデジタル手ブレ補正を採用した「ダブル補正」機能を搭載。普通のデジタルカメラとは異なり、被写体ブレ補正は画像の中の動いている被写体(動体)を検出・分離して、動いていない部分(静体)と別の処理をした後で合成する、という仕組み。手ブレ補正は縦横前後方向のブレ+回転方向のブレを電子的に補正する、というもの。

N905iの背面

今時のデジカメでは一般的な、顔検出オートフォーカス(AF)機能を搭載した点も新しい。専用のデジカメに比べると多少検出スピードが遅いような感じもしたが、きちんと追随してくれるので、おおむね問題はないだろう。

側面

この顔検出に加え、屋内照明の色かぶり補正、肌色・逆光補正、風景や夜景などのシーン別自動分類による高画質化といった処理を行う画質補正機能「PictMagic IV」を搭載。動画もVGA解像度・30fps、H.264形式での撮影が可能だ。

面白い機能としては「ライフリストビューア」が挙げられる。これは、過去に撮影した画像やメールの送受信履歴、スケジュールデータを縦の時間軸に沿って表示してくれる機能で、自分が過去に何をしていたかを眺めることができる。時間軸はなめらかに拡大縮小でき、データのプレビューも可能だ。

自分がどんなことをしてきたかが一目で分かるライフリストビューア。これで、さらに地図アプリの検索履歴やGPSログが見られたり、通話履歴が見られたりしても面白いかもしれない

ワンセグでは、176度の広視野角液晶によって、斜めから見ても見やすい。ライブ・スポーツ・映画などの映像効果・サラウンド効果を設定することもできる。横画面でワンセグ視聴中にメールが到着すると、画面上部にテロップ「クイックインフォ」が流れて送信者とタイトルが表示される。その場で液晶部分を反転させて縦画面にすると、画面下部にワンセグ画面が表示されたまま受信メール表示画面に移行、そこから返信メールの作成も可能だ。液晶を再び横に戻せばワンセグが全画面表示になる。このあたりのなめらかな動作は使っていて快適だ。

ワンセグ視聴画面

ワンセグを画面下に表示しながらのメール作成

録画機能は、通常の日時やチャンネル、番組名を指定しての予約録画に加え、「Gガイド番組表リモコン」を使った録画も可能だ。また、視聴中の電話着信で一時中断しても、着信時のシーンから見る「タイムシフト再生」にも対応。N905iでは常時2分間データを録画しているので、2分以上中断すると空白ができてしまうが、それでも便利な機能だ。タイムシフト再生では通常の番組視聴に加え、1.3倍速(音あり)、2倍速(音なし)も選べる。