おまけ
こちらのPhoto02のキャプションで、「Penrynの倍率・電圧変更に対応したCrystalCPUID 4.14.1.403 Alpha4を使ってみた」と書いたが、実際に可能かもやってみた。結果から言うと大変にうまく動く(Photo21)。面白いのは変な倍率(Photo22)も可能になること。また電圧を変えて省電力化も可能だった(Photo23、24)。
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Photo21:これはDX48BT2にQX9770を搭載した状態で試したが、Maximus FormulaにQX9770を載せて同じ事をやってもやはりうまく動作した。これは倍率を7倍にしたケース |
Photo22:Penryn世代から、7.5倍なんてものも選択可能になったようだ |
まとめ
ということで、前中後編と3回に分けてCore2 Extreme QX9770とX48マザーボードのレビューを行ってみた。筆者としての結論は、
(1) QX9770は確かに高速。でも、QX9650をオーバークロックしてもそれほど問題はなさそう。
(2) X48というか、DDR3のマザーボードはまだ要らない。
というあたりだろう。(1)についてはそれほど説明は要らないだろう。確実に速度向上分性能も上がる。1600MHzのFSBもちゃんと良い仕事をする。 ただ、そのために1000ドルをはるかに超えそうなCPUを買う価値があるか……といわれると、微妙だ。個人的にはQX9650を1600MHz FSB化して使えば十分だと思うし、Core 2 Extremeシリーズはそれを前提に倍率ロックが外れている事を考えれば、別に違法と目くじら立てるほどの事でもないと思う。電圧については、今回のCrystalCPUIDなり、BIOSの電圧設定で少し低めにセットできれば(可能かどうかは、最終的には入手した個体の状況によるから、一律に可能とは断言できないが)、QX9770相当まで下げることも不可能ではないだろう。あとは、余分に払って安心感を買いたいかどうか、というあたりだ。
(2)に関しては、今はDDR2かDDR3かという前に、マザーボードのチューニングの方が性能に大きなファクターを占めているのが再確認できたことが大きい。つまりチューニングの進んだDDR2対応マザーボードを使えば、チューニング度合いの低いDDR3マザーボードを上回るパフォーマンスを手にいれられるということだ。DDR3マザーが同じ程度までチューニングされるのには、もう暫く掛かるだろう。おまけに、DDR3メモリがまた馬鹿高い。特にDDR2の価格が暴落している昨今では、余計にもこの感が強い。本来ならばDDR3は駆動電圧が下がり、低消費電力……ということになるのだろうが、DDR3-1600に関してはややオーバークロック気味で、これも意味が無い。特にDDR3-1600は1chあたり1枚しかメモリが挿せないのも問題で、どう考えても選ぶ理由は思いつかない。X48もどうやらDDR2をサポートすることになったようだし、そもそもX38を搭載して本来は1600MHz FSBに未対応の筈のMaximus Formulaで問題なく1600MHz FSBが使えている現状を鑑みると、X38+DDR2で十分なんじゃないか、と思わざるをえない。 まぁASUSTeKも、後継製品としてX48を搭載する"Rampage Formula"なる製品を開発中の模様だが、こちらもDDR2を引き続きサポートするようで、ますますDDR3はまだ不要の感が強い。あとはX48がどれだけチューニングが進むか、である。個人的にはX38で十分、と思っている。