エルピーダメモリは5日、米RambusのXDRメモリアーキテクチャを採用した、4.8GHz動作の512Mbit XDR DRAM「EDX5116ADSE-5E-E」を発表した。2007年12月よりサンプル出荷、2008年4月に量産を開始する予定だ。

EDX5116ADSE-5E-Eは、8バンク構成(x16、x8、x4プログラマブル)で、現在広く流通しているDDR2-800メモリのピークバンド幅と比較して約6倍となる最大9.6GB/秒のデータ転送速度を実現する。70nmプロセスで製造され、104ボールFBGAパッケージが採用されている。同社では、デジタルテレビ、ゲーム機、PC、サーバ、ワークステーション向けの高性能・量産向けアプリケーションに最適だとしている。

超低振幅の差動ラムバス信号レベル(DRSL)、一般的な600MHzクロックで4.8GHz動作を可能とするためにクロック1サイクル当たり8ビットのデータ転送を行うオクタルデータレート技術(ODR)、クロック位相にあわせてデータタイミングをチップ上で調整するFlexPhase回路技術といった、ラムバスの特許をベースに開発された技術が使われている。また、アダプティブインピーダンスマッチングやダイナミックリクエストスケジュール、オーバーヘッドなしのリフレッシュといった機能も用意された。

エルピーダメモリのデジタルコンシューマ事業部担当執行役員・木下嘉隆氏は、「フルハイビジョン対応のデジタルテレビのような高解像度のイメージデータが一般に普及するにつれ、次世代のシステムでは高バンド幅メモリの必要性が急速に高まっている。ラムバスとともにXDR DRAMに取り組むことにより、コストパフォーマンスに非常に優れたメモリソリューションをコンシューマエレクトロニクスおよびコンピューティング市場に提供することができる」とコメントしている。

また、Rambusのセールス/ライセンシング/マーケティング担当上級副社長・シャロン・ホルト氏は、「エルピーダの4.8GHz XDR DRAMは、3Dグラフィックス、高解像度イメージプロセッシング、最先端マルチメディアなど、高いバンド幅が必要とされるコンシューマエレクトロニクスアプリケーションに最適なメモリだ。エルピーダは、XDR DRAMのリーディングサプライヤとしての実績を確立しており、今回、エルピーダとともにXDR DRAMのロードマップを発展させ、業界最速のDRAMを実現したことを大変喜ばしく思っている」と述べた。