日本AMDは8月31日、TDPが89Wに抑えられた新型の「Athlon 64 X2 6000+」を発表、販売を開始した。従来の6000+は125Wで、3割近くTDPを下げた。動作クロックは3GHzと変わらないが、価格は210ドル(約25,000円)と、従来よりも高い設定になっている。
AMDのデュアルコアCPU「Athlon 64 X2」シリーズでは、ハイエンドモデルの6400+/6000+のみTDPは125Wで、その下位モデルの5600+や5400+などは89Wだった。新型の6000+はTDPが89Wに下げられているが、製造プロセス(90nm SOI)、動作クロック(3GHz)、L2キャッシュ(1MB×2)といったスペックに変更はない。
89W版6000+のOPNは「ADA6000IAA6CZ」で、125W版の「ADX6000IAA6CZ」からは、消費電力を表す3文字目が変わっているだけだ。動作電圧を見ると、従来1.35-1.40Vだったものが1.30-1.35Vになっており、低い電圧で3GHz動作する選別品、と見ることができそうだ。日本AMDによると、89W版6000+の要望が大きかったそうで、日本限定の発売となる。
主なスペックの比較モデル | 6000+(従来品) | 6000+(省電力版) | 5600+(参考) |
---|---|---|---|
OPN | ADX6000IAA6CZ | ADA6000IAA6CZ | ADA5600IAA6CZ |
動作クロック | 3GHz | ← | 2.8GHz |
動作電圧 | 1.35-1.40V | 1.30-1.35V | ← |
TDP | 125W | 89W | ← |
Tcase | 55-63℃ | 55-70℃ | ← |
L1キャッシュ | 128KB×2 | ← | ← |
L2キャッシュ | 1MB×2 | ← | ← |
なお編集部で実際の消費電力(システム全体)を計測したところ、以下のような結果となった。Cool'n'Quietが効いているアイドル時の消費電力はほとんど変わらないが、CineBench R10(Rendering Multiple)実行時のピーク電力では、概ねTDP減少分(125W→89W)と同様の消費電力の低下が見られている。
消費電力の計測結果 |
マザーボード | MSI K9N Diamond(NVIDIA nForce 590 SLI) |
---|---|
メモリ | DDR2-800 1GB×2(Corsair CM2X1024-6400C4) |
グラフィック | NVIDIA GeForce 7900 GTX |
HDD | Western Digital WD3200AAKS(320GB) |
光学ドライブ | Pioneer DVR-A10-J |
電源ユニット | Seasonic M12 SS-700HM(700W) |
OS | Windows XP Professional SP2 |