健康に関する話題を扱う中国のポータルサイト「39健康網」はこのほど、中国で初の「中国網民健康情況白書」(中国インターネットユーザーの健康状況に関する白書)を発表した。これは約15万人のインターネットユーザーを対象に、病気の知識や心理状況、健康意識、生活習慣などに関する調査を行い、その結果をまとめたものである。

同白書によれば、インターネットユーザーの62%が自分を「楽観的、情熱的、誠実」と考えている。自分の心理状態を「不健康」とみなしているのはわずかに20%足らずだった。その一方で約70%が物忘れや集中力低下、焦り、憂うつ、自信のなさなど何らか心理的な問題を抱えている。また53%は、ホワイトカラーが心理的な病気にかかりやすいと信じており、90%の回答者が一度も心理カウンセリングを受けたことがないと答えている。

また「病気が増加している原因」として、多くの回答者が生活環境の悪化、精神的プレッシャーの増大、健康管理が不十分などの要因を挙げた。なかでも約4割の回答者が環境汚染を挙げるという結果となった。経済発展が急速に進むなか、自国の環境問題をマイナス側面として国民が深刻に受けとめている状況が見て取れる。

そのほか、多くのインターネットユーザーが比較的系統立った健康知識を持っていることも分かった。80%の回答者が、健康維持にとってもっとも重要な防衛線は予防であり、70%が健康管理は子供時代から始められるべきだと考えている。また、60%近くが健康保険に加入する必要があると答えるなど、リスクへの認識も高いようだ。

しかし現実としては、半数以上が健康管理にかける費用は年間1,000元(約1万6,000円)以下と回答し、30%が健康管理に使う金額がほぼゼロであると回答するなど、健康に関する知識と実際の健康管理との間には、経済的条件などからかなり大きなギャップがあるようだ。

長時間にわたるインターネットの使用と運動不足は健康リスクを生じさせる主な原因と考えられるが、41%が週末には家でネットサーフィンをすると答えた。その一方で日常的な運動に留意しているという回答は9%にも満たない。毎日8時間の睡眠時間を確保できているインターネットユーザーもわずか16%にすぎなかった。

中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が今年6月下旬に公表した最新調査によると、中国のインターネットユーザー人口は1億6,200万人に達している。インターネットユーザーの健康状態は社会の各方面から強い関心を呼んでいるが、これまで本格的な専門調査がなかった。39健康網の白書は、そうした中国のインターネットユーザーばかりではなく、現代の中国人の健康状況を知るうえで重要な意義を持つと考えられる。