欧州委員会(EC)は18日(現地時間)、携帯電話を利用してTVを視聴するモバイルTV規格として「DVB-H (Digital Video Broadcasting Handheld)」を支持することを表明した。加盟国政府や企業にDVB-H利用を奨励するほか、2008年には採用を義務付ける方向も検討するという。

今回のDVB-Hの支持は、欧州におけるモバイルTV離陸の遅れを受けてのもの。EU全体で単一の規格を採用することで、市場開拓を促進する狙い。

現在、欧州のモバイルTVは、英国、イタリア、フィンランドなどで商用サービスが始まっているが、多くの国はパイロット実験の段階にある。ECでは、最も普及しているイタリアでも利用は1%に満たず、韓国の約10%と比較すると遅れているとしている。

EC情報社会/メディア政策委員のViviane Reding氏は、「GSM標準をベースにモバイル市場が立ち上がったのと同じように、(単一規格を採用することで)欧州は世界をリードすることができる」と述べている。現在は加盟国にDVB-H採用を促すレベルだが、今後の動向次第ではDVB-H採用を義務付けることも検討しているという。

DVB-Hは欧州の研究プロジェクトをベースとした携帯電話向けのデジタル放送規格で、フィンランドのNokiaなどが強く推進している。2006年には同規格を推進するMobile DTV Allianceが立ち上がっている。