近年は27インチサイズのゲーミングモニター製品にも有機ELパネル採用が進んできている。以前は、ガチ勢のゲーマー向け、eスポーツアスリート向けのゲーミングモニター製品は「TN型液晶パネル採用機」が定番だったのだが、近年では、TN型液晶パネルをはるかに凌ぐ圧倒的な応答速度に加え、以前は存在した「焼き付き抑止駆動制御のための1フレーム分のバッファリング」が廃止されたため、入力遅延についても、「有機ELだから」という負い目がなくなったのだ。

そんな有機ELパネル採用のゲーミングモニター製品が、今度は「さらなる画質向上」に乗り出す。それは「タンデムWOLED」パネルの採用だ。

実は2025年から、LG製の有機ELパネルは、新世代のこの「タンデムWOLED」パネルを量産しており、有機ELテレビ製品にはこの新パネルが先行採用されていた。この新世代パネルが、新発売のゲーミングモニター製品にも採用されることとなったのだ。

本稿では、この新世代の「タンデムWOLEDパネルとは何か」というところにもフォーカスを置きつつ、この新パネル採用機の代表的なモデルとなる「27GX790B-B」の実力を検証したいと思う。

※本稿で紹介する「27GX790B-B」は好評につき、初回入荷分が完売しております。
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大画面サイズの有機ELパネルとLGの歩み

LGといえば、他社が開発に苦労し、撤退するメーカーも続出していた大画面サイズの有機ELパネルの量産化にいち早く漕ぎ着けたことは業界では有名な話。実際、2015年以降から2021年まで、世界の電機メーカーが販売していた有機ELテレビ製品の採用パネルのほとんどがLG製だったと言われている。

このLG式有機ELパネル。実は、全サブピクセルを白色有機ELで構成し、RGBカラーフィルターを組み合わせて、フルカラー発色をさせていた。―――そう、「3原色のRGBサブピクセルに対し、個別の赤緑青(RGB)の有機EL画素を作り分けない」という、割り切りともいえるような大胆な発想の転換によって、他社に先駆けて現実的な製造コストで有機ELパネルの量産に成功したわけである。これが、LG式有機EL(OLED)が「White OLED」の頭文字を取ってWOLEDと呼ばれる所以だ。

「全画素が白色有機EL」とはいっても、最初のLG式WOLEDパネルでは、実態としては「青色有機ELに黄色蛍光体を組み合わせたもの」……いわゆる白色LEDにかなり近い構造だった。このため、赤や緑発色に弱さがあった。そこで、第2世代WOLEDでは、蛍光体を活用するのをやめて、特別レシピの燐光性ドーパントで黄色の有機EL発光層を形成させて、これと青色純色OLEDと組み合わせて白色の発光特性の改善を行った。

第3世代WOLEDでは、各有機EL画素の迷光をマイクロレンズアレイ(MLA)技術を利用して視聴者側に光路を補正して高輝度化と高コントラスト化を実現。このブランディングは「有機ELパネルは暗い」という概念を覆すことにも貢献した。

そして、今回の27GX790B-Bをはじめ、2025年から有機ELテレビで採用されたのが、最新の第4世代有機ELパネル「タンデムWOLED」になる。

なお、LGは、タンデムWOLEDパネルの他に、タブレットやスマートフォン向けの有機ELパネルとしてRGBサブピクセル構造を2層にしたタンデムOLEDパネルも製造しているが、今回のモニターはタンデムWOLEDパネルを採用している。

念願のRGB発光層を獲得したLG式第4世代有機ELパネル

この第4世代有機ELパネルは、プライマリーRGBタンデムテクノロジーをはじめ、いくつかの通り名があるようだが、本稿では「タンデムWOLEDパネル」と呼ぶことにしたい。このタンデムWOLEDパネルの最大の進化ポイントは、長らく黄色発光層でまかなっていた、赤と緑の純色光を、独立した赤緑の有機EL発光層に置き換えたことにある。この改善により、赤と緑の純色のスペクトラム特性が改善されて色域が拡大されることとなったのだ。

ここまでの解説の理解を深めるためには、LGディスプレイ(LGD)社が公開した、下の公式解説動画を参照いただきたい。

※動画内の「4000nit」はHDR映像制作/規格上の想定輝度の例示であり、本機(27GX790B‑B)のピーク輝度を示すものではありません。

LG式のWOLEDパネルは、第2世代の時点で、輝度改善のために、青色発光層は二層に増量されていた。つまり、第2世代と第3世代のWOLEDパネルは、2つの青色発光層と、単一の黄色発光層からできていたことになる。

今回の第4世代、タンデムWOLEDパネルでは、この黄色発光層を、赤と緑の2つの単色発光層に分離したので、青2層+緑1層+赤1層で総計"4"層の発光層を持つことになった。

さて、前述してきたように、近年LGは自社製有機ELパネルに「マイクロレンズアレイ(MLA)」を採用してから、今回の第4世代のタンデムWOLEDパネルは、ナンバリング的には、META"3".0パネルということになる。

(なお、「META3.0パネルが第4世代有機ELパネルに相当する」のはユーザーが混乱しそうなので、今回はあまり触れずにいこう。)

ちなみに、METAパネルとして訴求されていた時代に採用されていたMLA(マイクロレンズアレイ)は、今回の第4世代のタンデムWOLEDでは非採用となっている。

LGによれば、「MLAは輝度向上には貢献するが、室内が明るい時には、MLAが逆にその外光に起因した黒浮きをもたらすことがある」とのことで、今期のタンデムWOLEDパネルでは、MLAの採用は意図的に見送られている。

27GX790B-Bを測定してその性能を見極める

では、どの程度の性能があるのか。まずは、基本スペックからおさらいだ。

映像パネルは、前述してきたようにLG式第4世代有機ELパネルで、画面サイズは27インチ(正確には26.5インチ)で、解像度2,560×1,440ピクセルだ。いわゆるWQHD解像度と呼ばれるものになる。

HDR表示品質はVESAのDisplayHDR True Black 500認証を受けており、最大輝度500nitの輝度までが保証される。実際にどうかはこの後検証する。DisplayHDR規格は聞いたことはあっても「True Black」というキーワードを知らない人がいるかもしれない。

こちらは、有機ELのような「自発光画素の映像パネル」に対してのより厳しい品質規格を表している。液晶モニターなどで、DisplayHDR 400やDisplayHDR 600などの認証を受けた製品があるが、DisplayHDR 400はもちろんのこと、DisplayHDR 600よりも、DisplayHDR True Black 500認証機の方が圧倒的にハイコントラストで、美しいHDR映像を楽しめることになっている。

  • 高さ調整:130mm

  • チルト角度:前-5゚~後21゚

  • スイベル:左30°/右30°

  • ピボット対応:左90°

では、ここからは実機の27GX790B-Bに対し、筆者が様々な性能計測したときの状況を語るとする。

ここで公開するのは、筆者が実機に対して、筆者が手持ちの計測機器を使って計測したものになるので、あくまで参考値として捉えてほしい。メーカーから提供されたデータではないことを強調しておく。そして、先に結論を申し上げておくと、計測結果はなかなか優秀なものであった。

まず、HDMI入力端子などへ入力された映像が、画面に表示されるまでの「入力遅延時間」の測定結果は60Hz時で3.4ms、120Hz時では1.8msであった。それぞれ、フレーム時間は60Hzで16.66ms、120Hで8.33msなので、遅延フレームはどちらも約0.2フレームとなり、ゲーミングモニター製品としては十分な低遅延性能があるとみなしてよいと思う。

  • 入力遅延の測定風景

続いて、発色性能面の測定を実施。 白色光のカラースペクトラムの測定結果は以下のようになった。比較用に、同じLGで第3世代有機ELパネルを採用した「32GS95UV」(2024年モデル)の結果も合わせて示しておこう。

  • 27GX790B-Bの白色光のスペクトラム

    27GX790B-Bの白色光のスペクトラム

  • 32GS95UVの白色光のスペクトラム

    32GS95UVの白色光のスペクトラム

これを見比べると分かるように、27GX790B-Bの方が、赤緑青のスペクトラムが鋭く立ち上がっており、各スペクトラムの分離感もはっきりしている。つまり、それぞれの3原色を混合して作られる合成色が理想通りに出しやすく、理屈上は、雑味も抑えられやすいことになる。

32GS95UVの方は、黄色発光層が、純色の独立した赤や緑の有機材から発光されていないため、緑と赤のスペクトラムピークが低く、分離感にも乏しい。白色光スペクトラム1つとってもここまで違うのだ。

続いて、色域の広さも計測し、CIE色度図を生成してみた。こちらも比較用に32GS95UVの計測値も示すとする。こちらは両モデルとともに、VESA DisplayHDR準拠の画調モードで計測している。

このCIE色度図とは、白い線分でできた三角形が、計測した2機種、それぞれにおける、表現可能な色域を示している。ちなみに、黒い線分の三角形は、地球上に存在する99%の色域をカバーした「Rec.2020色空間」の範囲を示したものになる。測定値から導出された白い線分の三角形が、どのくらいこの黒線の三角形に迫っているか……が、性能の高さの指標の目安となる。

  • 27GX790Bの色域測定結果

    27GX790Bの色域測定結果

  • 32GS95UVの色域測定結果

    32GS95UVの色域測定結果

実際、2つのCIE色度図を見比べてみると、27GX790B-Bの方がだいぶ広いことが分かるだろう。27GX790B-Bの方が、緑の頂点がだいぶ上にあり、赤や青の頂点も下側に下がっており、三角形の面積が大きい。

階調特性(EOTF)の測定結果も示そう。これは、モニター側にHDR10規格がカバーする漆黒の0nitから最大輝度の1万nitまでの輝度表現をどう表示するかを計測したものになる。なお、光らせた範囲は、画面全体に対して10%程度の四辺形範囲とした。

  • 27GX790BのCIE色度図

    27GX790BのCIE色度図

  • 32GS95UVのCIE色度図

    32GS95UVのCIE色度図

この測定結果は、赤いリファレンス線に沿っていれば優秀な結果となる。しかし、民生向けで1万nitまで輝けるモニター製品はないので、そのモニターの最大輝度性能あたりで、赤いリファレンス線から外れて横ばいになるのが一般的な測定結果となる。

階調特性については、27GX790B-Bと32GS95UVは結果がよく似ている。ともに暗部階調の特性は良好といえるが、27GX790B-Bのほうが漆黒表現は正確だが、最暗部階調はごくわずかに持ち上げる傾向があるのがわかる。この特徴からは「締まる黒の正確な表現」と「漆黒に潜む敵を描き出す」というゲーミングモニター製品らしい画調設計意図を感じる。

興味深いのは、32GS95UVでは自身の最高輝度値あたりで、真っ平らな横ばいになるのに対し、27GX790B-Bでは最明部が緩やかに上がりながら収束していくところ。27GX790B-Bでは、自身が出せる最大輝度付近に、なだらかな階調表現を伴って収束させているのだ。高輝度なエフェクト表現、逆光気味な夕日・朝日の表現においても、滑らかなグラデーションを伴った彩度感の豊かな高階調表現が行えることになる。

画素のクローズアップも見てみよう。27GX790B-Bにデジタル顕微鏡をあてがい、30倍、60倍で撮影した写真が下になる。

  • 光学30倍の写真

    光学30倍の写真

  • 光学60倍の写真

    光学60倍の写真

冒頭で述べたように、27GX790B-Bは、RG発光層が搭載されたタンデムWOLEDパネルだが、従来のLG式有機パネル同様に、赤緑青のサブピクセルだけではなく、白色のサブピクセルも存在するようだ。

色やコントラストだけじゃない。残像フリーも27GX790B-Bの魅力

測定だけでなく、実際に、ゲームをプレイしての評価も行った。プレイしたのは、名作シューティングゲームのリメイク作品。なぜ、この作品を選んだかというと、たまたま液晶モニターでオリジナル版をプレイしたあとのタイミングだったのと、同名タイトルのリメイクのPC版が発売されたこととが重なったので、プレイの印象がどう変わるか試してみた形だ。

このようなシューティングゲーム作品では、画面内にバラバラと散らばる無数の敵弾、縦横無尽に舞い踊る敵機達が同時に動き回る。そして、ややトーンの落とされた背景は、ステージごとに縦や横にスクロールしていく。つまり、そうしたカオスな情景を、正確な視覚情報として脳に詰め込めないと、コントローラの「操作ミス」よりも前に、ゲーム状況の「認知のミス」が起きる。

液晶モニターでは、応答速度が速いモデルでも、動体表現の各フレームに液晶特有のホールドボケ(目で被写体を追うと、動いた軌跡がにじんで見える現象)が知覚されることがある。これは、バックライトスキャニング(点灯時間の短縮)を組み合わせても、液晶画素の状態が目標の状態に達するまでにミリ秒級の遷移時間(GtG)を要し、その“遷移途中”の成分が残像として見えてしまうため。

対して有機ELモニターでは、電流のオン/オフがそのまま発光のオン/オフに直結する自己発光方式で、発光は電子の遷移に伴った励起現象で起こる。この速度はマイクロ秒級の速さであり、フレーム時間(ミリ秒級)に比べて桁違いに速い。そのため、表示上の見かけの発光保持時間(MPRT)を短くしやすく、動体のホールドボケを感じにくい。

つまり、前述したような「認知のミス」を低減出来るのだ。理屈っぽく語ってしまったが、平易にいってしまえば、27GX790B-Bの画面は残像をほとんど感じずに、目にスッと入ってくると言うことだ。

実際、27GX790B-Bはスペック上でも、VESAの残像指標値ClearMR規格において、2025年時点で最高位の「ClearMR 21000」認証を取得している。ClearMR 21000とは、具体的には「画面上において、残像でぼやけているピクセル1個に対して、残像のない鮮明なピクセルが、その21000%分(210倍)存在する」という意味になる。つまり「画面上のピクセルの210÷211≒99.52%が鮮明に見える」ことが認証されことに相当するのだ。

27GX790B-Bの有機EL画素の応答速度は0.02ms(20μs)と公称されているが「画面上の99.52%の画素から残像が感じられない」と言い換えた方がそのすごさが直感的に伝わることだろう。

一望性を重視して搭載された24.5インチモードもある!

一人称シューティングや格闘ゲーム、場合によってはRTS系やMOBA系ゲームにおいて、プレイヤーはモニターに「一望性」を強く望むことがある。一望性とは、具体的にいえば、眼球や首を動かさず、ゲームプレイに必要な画面情報を一度に視認できるのに適した画面サイズのこと。これは大きくても25インチ以下がいいといわれることが多い(19インチを好むプロもいる)。

一方で、アクションアドベンチャーやアクションRPGなどの没入感重視のゲームをプレイしたいときには、逆に小さくても20インチ台後半はほしいと言われることが多い。その意味では、本機、27GX790B-Bはこの条件を満たしている。

では、27インチ画面サイズの27GX790B-Bでは、一望性が重視されるゲームは不向きとなるのか。LGは、そうした一望性を求めるガチゲーマー勢に向けて、ゲーム画面を24.5インチ領域に小さく表示させる機能を27GX790B-Bに搭載したのであった。

この機能を有効化するには、「デュアルモード」設定メニューの中にある「オフ(16:9 24.5")」をチェックすればよい。意味としては「デュアルモードはオフ設定としたうえで24.5インチモードをオンにする」ということになるので、最大リフレッシュレートは540Hzとなる。

この機能の面白いところは、2,560×1,440ピクセルモードの縮小や、1,920×1,080ピクセルモードの拡大の形で実現するのではない点だ。実は、この24.5インチモードが有効化されると、ちょうど27GX790B-Bの画面サイズ上で24.5インチの表示サイズとなるドットバイドット解像度である「2,368×1,332ピクセル」の画面モードが有効化されるのだ。

  • 24.5インチモードにすると、PCなどからは27GX790B-Bの奨励解像度が「2,368×1,332ピクセル」となる!?

    24.5インチモードにすると、PCなどからは27GX790B-Bの奨励解像度が「2,368×1,332ピクセル」となる!?

27GX790B-Bの画面内の外周に未表示の黒帯が出ることになるが、液晶とは違い黒浮きもないので気にならない。「ベゼル幅の太いモニター」というイメージの24.5インチモニターでゲームがプレイできる。2,560×1,440ピクセルよりも描画画素数は減るので、フレームレートは逆に上がる可能性もある。競技系のゲームは、この24.5インチモードでプレイする習慣をつけても良いかも!?

27GX790B-Bのデュアルモードは720Hzへ!

2023年前後より、徐々に製品を増やしてきた、最大リフレッシュレートを切り換えられる「デュアルモード」対応のゲーミングモニター製品。27GX790B-Bでは、最大リフレッシュレートを2,560×1,440ピクセル解像度で最大540Hz、1,280×720ピクセル解像度でなんと720Hzにまで上げられるデュアルモードを搭載している。

デュアルモードへの切換は、27GX790B-Bの画面下辺付近にある、メニュー操作用のスティックコントローラの左側にあるボタンで、ワンタッチで540Hz/720Hzモードを切り換えられるようになっていた。

  • デュアルモード有効時は、最大リフレッシュレートを720Hzにまで上げることができる

    デュアルモード有効時は、最大リフレッシュレートを720Hzにまで上げることができる

実際に、720Hzモードにして、毎秒960ピクセルの高速スクロール速度の映像を720fpsとそれ以下のフレームレートで表示し、これを筆者の所有するスーパースローカメラで40倍スロー/960fps撮影したものを下に示す。参考までに、最近の上級有機ELモニターのデュアルモードで採用例の多い480Hzモードの同条件映像も示しておこう。

90Hz~720Hzの場合

60Hz~480Hzの場合

こうして見比べてもらうと、秒速960ピクセルという速い動きでは、60fpsでは、40倍スロー状態で見ると、ほとんどコマが飛び飛びだということが分かる。

実際、720Hzはもちろん、540Hz状態でも、「一般的な動きの速い動体表現」を見ても、ブレ(モーションブラー)がまったく感じられない。それこそ、上の動画の40倍スローの動画の状体と変わらない鮮明さで見える。たぶん、最初に見た時には信じられないと思う。「残像の少なさ」の評価軸において、「ブラウン管を神格化」する向きもあるが、実際のところ、リフレッシュレート540Hz以上の有機ELだと、軽くブラウン管を超えていると感じる。ClearMR21000の称号は伊達じゃない。

ゲーム機やPCからリニアPCM7.1ch/5.1chのサウンドデバイスとして認識

あまり、LGも強く訴求していない面白い機能が27GX790B-Bに搭載されているので、これについても紹介しておきたい。

実は、LGのゲーミングモニター製品の上位機には「DTS Headphone:X」機能が搭載されているのだ。「どうせ、残響効果を与えるだけの"ナンチャッテ"サラウンド機能でしょ」と思う人もいそうだが、実はそうじゃない。27GX790B-BをPCやゲーム機から接続すると、27GX790B-BはリニアPCM7.1chや、リニアPCM5.1chのサウンドデバイスとして見えるのだ。

  • 筆者宅のゲーム機と27GX790B-Bを接続してみたところ、ゲーム機からは非圧縮(リニアPCM)の2chステレオ、5.1chサラウンド、7.1chサラウンドに対応した音源デバイスとして認識されていることを確認出来た。これはPCと接続しても同じ。LGゲーミングモニター製品の隠れた面白機能の1つ

    筆者宅のゲーム機と27GX790B-Bを接続してみたところ、ゲーム機からは非圧縮(リニアPCM)の2chステレオ、5.1chサラウンド、7.1chサラウンドに対応した音源デバイスとして認識されていることを確認出来た。これはPCと接続しても同じ。LGゲーミングモニター製品の隠れた面白機能の1つ

つまり、特別なサウンドデバイス要らずでPCと27GX790B-Bを接続するだけ。PCゲーム側がサラウンド対応で、ヘッドフォンがあれば、7.1chサラウンドや5.1chサラウンドサウンドを楽しめるのだ。ドックモードでテレビに接続しただけでは、なかなかサラウンドサウンドを楽しむのが難しいゲーム機も、27GX790B-Bに直結してヘッドフォンにてバーチャルサラウンドサラウンドが楽しめるわけである。

ただ、1つ注意点がある。 27GX790B-Bは、リニアPCM7.1chや、リニアPCM5.1chのサウンドデバイスの機能を持つが、スピーカーは搭載されていない。上でも触れているように、この機能を楽しむにはヘッドフォンが必須となるのだ。

  • 27GX790B-Bには、4極のミニジャック端子が搭載されているので、そこそこ音質の良いヘッドフォンやマイク付きヘッドセットを接続すれば、リニアPCMベースのマルチCHサラウンドサウンドを、ヘッドフォン向けのDTS Headphone:X(バイノーラル空間オーディオ)に変換して再生してくれる

    27GX790B-Bには、4極のミニジャック端子が搭載されているので、そこそこ音質の良いヘッドフォンやマイク付きヘッドセットを接続すれば、リニアPCMベースのマルチCHサラウンドサウンドを、ヘッドフォン向けのDTS Headphone:X(バイノーラル空間オーディオ)に変換して再生してくれる

残響でごまかさない、DTSの看板の名に恥じない、360度の前後180度、左右180度の360度の音像定位感が楽しめるのでぜひ試してみてほしい。

27GX790B-Bは誰のために?

ここまでを振り返りつつ、最後に、27GX790B-Bがどんなユーザーに向いているのかをまとめてみたい。

27GX790B-Bは「優れたHDR映像表示品質」「タンデムWOLEDパネルならではの広色域」「優等生的な階調特性」「有機ELならではの黒浮きなしの漆黒表現」……と言う具合だ。モニター製品としては、普通に画質もいいので、一般的なPC用途はもちろん、写真コンテンツや図版制作、映像編集などのメディア関連用途にも十分使えるので、人生最初の有機ELモニターとして選ぶのは悪くないと思う。液晶モニターとの画質の違いに驚けることだろう。

それと、最初期の有機ELモニターを使っていたユーザーの買い換え先モデルとしてもよいと思う。「LG式のWOLEDパネルの画質もここまで来た……」ということに感動できることだろう。

とはいえ、ゲーミングモニター製品として、かなりハイスペックにまとまっているので、ゲームをプレイする習慣がある人にこそ向いていることは間違いない。「99.52%の残像フリー性能」「一望性を重視した24インチモード」などは、ゲーマーにこそ重宝される高性能だ。

その意味では、PCモニターとして使いつつ、ゲーム機接続用の兼用モニターとして27GX790B-Bを選ぶのもよいと思う。前述したようにPCはもちろん、ヘッドフォン向けDTSバーチャルサラウンド機能が搭載されているので家庭用ゲーム機とも相性がいい。

そして、「標準で540Hz、デュアルモードで720Hz」は、eスポーツアスリートや、セミプロ級のガチ勢のゲーマーにこそ使ってほしい機能だ。上でも紹介した720Hzモードはとにかく強力だ。(引き換えに表示解像度は下がってしまうが)

そういえば、今回の「720p解像度限定の720Hzモード」を試していて、筆者がその昔、2018年に、一人称シューティングゲーム「カウンターストライク」競技のプロゲーマーチームを取材したとき、メンバーの多くが1,280×720ピクセル(あるいはそれ以下)の解像度でプレイ練習をしていた様子を思い出した。その理由は一様に「フレームレートが高くなって敵が狙いやすくプレイしやすいから」というものであった。

720Hzモードは、描画解像度よりもとにかく、なによりフレームレートの方を重視したい……そんな人向けの機能だ。恐らくセミプロ級くらいのガチ勢においてはきっと歓喜の機能となるのだろう。

そうそう。筆者の実験では、720Hzモード時でも、2,560×1,440ピクセル解像度の映像を入力することはできることは確認した。とはいえ「1ピクセル飛ばし表示」のような「解像感の粗い表示」になってしまうので、実用的ではないので、無理に試す必要はないと考える。

27GX790B-Bは、解像度制限のない、通常の540Hzモードでも相当にくっきりと見えるので、一般ユーザーはこちらの常用で十分ではないかと思う。もし、あるとき、ふと「自分はもしかすると540Hzに満足できない人間に成長してしまったかもしれない……」と感じたときには、27GX790B-Bの画面下の「デュアルモード」スイッチをそっと叩いてみよう。マッハ……いやライトスピード次元のゲーミング世界への扉を開けるときが来たときの合図だ(笑)。

[PR]提供:LGエレクトロニクス・ジャパン