米eMarketerは、ユーザー発信型のコンテンツ(UGC: User-Generated Content)の世界各国における利用事情などを調査した最新レポート「User-Generated Content: A New World of Online Advertising」の発表を行った。調査結果では、先進諸国の中で日本のUGC利用率の低さが示されている。

同レポートは、昨年末に調査会社のSynovateなどが、米国・英国・日本・中国・フランス・ドイツ・イタリアの7カ国で、18歳以上のブロードバンドユーザーを対象に実施した調査に基づくとされる。

レポートによれば、インターネット上で、ユーザー投稿型の動画コンテンツを視聴したことがあるブロードバンドユーザーは、日本では約4人に1人となり、調査対象国全体で最も低い割合を示した。6割以上のブロードバンドユーザーがユーザー投稿型の動画コンテンツを利用している中国が利用度トップとなり、2位以下は、米国、イタリア、ドイツの順に続いているという。

どの国でも、若い年齢層ほどユーザー投稿型動画コンテンツの利用率が高まっているものの、中国では、45~54歳の中年ユーザーの間でも59%が利用していることが明らかにされている。一方、日本国内に目を向けると、45~54歳の中年ユーザーの利用率はわずか18%にとどまったとされる。

また、SNS利用度の高さに関しても、中国のブロードバンドユーザーは際立っているようだ。例えば、SNSを活用し、自分の趣味についてオンラインで語り合うとの回答者は、中国ブロードバンドユーザーの実に8割に達しており、SNSで新たな交友を広げ、実際に会ってみることがあるとの回答者も78%を占めたとされている。日本では、SNSで趣味を語り合うブロードバンドユーザーは半数を下回り、SNSで新たな出会いがあるとの回答も34%にとどまったようだ。

なお、同レポートでは、特に中国における今後のUGC利用の伸びに注目。昨年、中国のインターネットユーザー数は1億3,400万人を超えたものの、2011年には2億4,600万人を突破すると見られており、それに伴って、UGCのユーザー数も大きく増えていくと予測されている。

中国のインターネットユーザーの推移と予測(eMarketer, User-Generated Content: A New World of Online Advertisingより)