Safari 3では、ついにWindowsをサポート。Apple製のWindows向けソフトは、これまでもQuickTime / QuickTime PlayerやiTunes、AirMac関連の管理ツールなど、いくつかリリースされている(YellowBox for Windowsという時代の波に消えた徒花もある)が、どちらかといえばニッチな機能を持つ傾向があり、Microsoft製品と完全に競合するWindows向けソフトはSafariが初めてといっていいはず。

そのWindows版Safari 3だが、現時点のパブリックβでは日本語のページを表示できないこと、.Macを経由したブックマーク同期機能が省略されていることなど数点を除けば、基本的な機能はMac版と同じ。メニューの並び順やショートカットキーなど相違点もあるが、Look & Feelに関してはほぼ統一されているといっていいだろう。IEやFirefoxと極端に操作性が異なるわけでもないため、前述した問題といくつかの致命的な不具合 -- たとえばブックマーク一覧の表示を試みると高確率でクラッシュする -- が解消されれば、他のブラウザからの乗り換えもスムーズに進むはずだ。

フォントパネルで日本語フォントは選択できるものの、現在のところ日本語ページを表示する方法は発見できない

環境設定パネルのデザインまでオリジナルのMac OS X版ソックリ

パスの処理に問題があるようで、間にスペースを含む領域上のファイルは開くことができなかった

使用されているフレームワークだが、標準インストールでC:\Program Files\Safariへコピーされるコンポーネントを確認してみると、WebKit.dll(v3.522.11.3)のほか、CoreFoundation.dllやCoreGraphics.dllといったMac OS Xから移植したと思われるランタイムを発見できた。SQLite3.dllなど、オープンソースの技術も利用されている。

C:\Program Files\Safariフォルダの内容。CoreGraphics.dllとCoreFoundation.dllを確認できる

そのうちDarwinの一部として公開されているCore Foundationはともかく、プロプライエタリなCoreGraphics(Quartz 2D)が使用されていることの意味は大きい。というのも、同じくWebKitを使用するAdobe AIR(旧Apollo)は、CoreGraphicsではなくCairoを利用しているからだ。ここに、AppleのWindowsに対する今後の取り組み姿勢が垣間見えるような気がするのだが……。