中国信息産業部がこのほど「2006年電子情報製品品質に関する抜取検査の結果」を公表した。報告によると、中国製MP3プレーヤーの合格率は僅か34.4%に止まっている。

今回の抜取検査は北京市、上海市、江蘇省、広東省、安徽省、四川省で実施された。方法は計32社のMP3プレーヤーメーカーから、1社1型番ずつ計32型番のMP3プレーヤーを抽出し、品質検査がおこなわれた。抽出されたメーカー数は全国のMP3プレーヤーメーカー総数の6割に相当するため、抜取検査としては極めて信頼性が高いとされる。

実際に検査を受けたのは検査を拒否した1社を除く31社31種類のMP3プレーヤー。「GB8898-2001音頻、視頻及類似電子設備安全要求(GB 8898-2001: 音声、ビデオおよび類似電子製品安全国家基準)」などの基準にもとづく検査結果では、合格品が11種類、合格率が34.4%、不合格品が22種類、不合格率が67.7%と、合格率の低さが常識はずれなレベルに達したという。主な不合格項目には、音声出力、SN比が取扱説明書に記載されてある数値に達していない、パワーアダプターが安全基準やEMC規格に達していないことなどが挙げられた。

愛国者(aigo)、OPPO、Apple、Sony、PANDA、紐曼Newmanなど、MP3プレーヤー市場での有名ブランド品は全て合格している一方で、弱小ブランドのサンプルには不合格が多かった。市場では比較的大きなシェアを占めている魅族MEIZV、優百特UNIbit、清華同方のサンプルが不合格となったこともユーザーの注目を集めている。

有力ポータルサイトの網易は、信息産業部による抜取検査結果の公表を受け、ユーザーに「あなたは不合格と通報された魅族MEIZV、優百特UNIbitなどのブランドのMP3プレーヤーを買うか」という緊急ネット調査を実施中。6月5日時点での回答は、「買わない」と答えた人は2,640人、回答者全体の75%を占めている。この調査結果からみれば、不合格品の烙印を押されたメーカーは今後、徹底的な改善策を講じないかぎり市場から追い出される結果になりかねない。

なお信息産業部は、各省、直轄市の品質監督機関に対し、不合格品を出したメーカー自身による品質自主改善を監督するよう指示を出している模様だ。