Intelの5年後の売り上げ倍増の立役者として期待されているSilverthorneであるが、先の北京でのIDFでもチップ写真が発表された。北京では中国にサービスして1角硬貨が比較に使われたが、米国の発表では、米国スタンダードの1セント硬貨が比較に使われている。

北京IDFと、今回のアナリストミーティングでのSilverthorneの写真。出典:Intel

筆者は、1角硬貨は持っていないので比較できないが、この1セント硬貨との比較で見ると、Silverthorneのダイは横が9.4mm、縦が3.7mmで、面積は34.6平方mm程度である。このSilverthorneベースのMenlowプラットフォームは、2006年の低電力プラットフォームと比較すると、面積、電力ともに1/4で、性能は10%向上と言う。そして、さらに2009年から2010年に掛けてのSystem on a Chipでは、2006年と比較して、電力1/20、サイズ1/9にすると述べている。

出典:Intel 2007 Spring Analyst MeetingのOtellini社長の発表資料

Silverthorneは、その低消費電力を生かし、Wi-Fiチップセットと組み合わせて小型のモバイル機器への展開と、その低コストを生かして低価格PCへの展開を狙っている。現在、既に、売り上げの50%がアジアパシフィックであり、低価格PCは中国やインドなどのアジア諸国への展開には大きな武器になると思われる。

そして、System on a Chipであるが、次の図に示すように、2007年にはCPU、チップセット、メディアプロセサと3つチップに分かれているものを、2008年には1チップに統合するというイメージである。但し、性能に関しては、現在のCE2110メディアプロセサの2倍に引き上げる。

出典:Intel 2007 Spring Analyst MeetingのEric Kim SVPの発表資料

そして、2009年には、コアあたりの性能は同程度であるものの、コストや消費電力を40%下げ、さらに2コア化も計画されている。これらのチップの用途としては、HDTVやメディアプレーヤ、セットトップボックスなどで、インターネット接続と強力なメディア処理機能を必要とされる用途に売り込み、2011年には$10Bの売り上げが目標である。