S50cで面白かったのは、「インターバル撮影機能」と「微速度撮影機能」だった。高価なデジタル一眼レフでもインターバル撮影機能はあまり見かけないし、微速度撮影機能は動画を生成する機能なので、もともと動画に対応していないデジタル一眼レフでは処理できないことになる。微速度撮影は、同様の機能を持つものとしてはキヤノン「IXY10」のインターバル動画機能があるが、IXY10は撮影間隔が1秒か2秒しか選べないのに対して、S50cは10秒から60分まで設定できるので、より長時間の撮影ができる。

「インターバル撮影機能」と「微速度撮影機能」の違いは、一定の間隔ごとに撮影を行うのは同じで、撮影した画像を1枚ずつの静止画にして保存するのが「インターバル撮影機能」、それをまとめて動画にして保存するのが「微速度撮影機能」だ。カメラを設置したままにして植物の生長記録などを撮影してもいいし、空の様子などを撮影しても面白いだろう。テスト撮影として、夕焼けから夜景へと変わる景色を撮影しようと思ってカメラを三脚で固定して撮影を行ったところ、空の色の移り変わりもさることながら、雲の形が変化していくのがとても興味深かった。こんな発見ができるのが「微速度撮影機能」の魅力かもしれない。

「インターバル撮影」については、三脚が必須だが、S50cの電源端子と三脚穴の間は1cmも離れていないため、三脚とAC電源を同時に使うことは事実上不可能だ。したがって撮影途中でバッテリーが切れないよう、十分に充電したバッテリーを使用したい。

また、添付された設定ソフト「COOLPIX CONNECT」は、USBケーブルでパソコンと接続する必要があるのだが、USBの端子も電源端子と兼用で底面に設けられている。さらにこのUSBケーブルはビデオ出力ケーブルも兼ねているため、USBだけをパソコンに接続すると、カメラの液晶面画が消えて真っ暗になってしまい、カメラがどういう状態なのか把握できなくなってしまう。また、ビデオ出力(テレビ)とUSB(パソコン)の両方をつなぐと、USBが優先されてしまい、テレビにもカメラの液晶画面にも何も映らないという状況に陥る。このあたりはもう少し詰める必要がありそうだ。

付属のケーブルはUSBとAV出力が一体化されたケーブル

ACケーブルを接続すると三脚が付けられない……