Mobility Groupに関する話題は大雑把にこの程度だが、最後におまけを一つ。Photo24~28は、IDF前日のR&D Sessionの後で設けられたMooly Eden氏とのRound Tableの際に示されたものだ。大きい方のチップはいずれも現行のYonah Platformの製品、小さいのは"Blue Dolphin"というコード名のもので、コアそのものはYonah Platformながら、省スペース向けパッケージとなっている事だ。

Photo24:CPUパッケージ。右がBlue Dolphin。ダイそのものに違いはなく、パッケージのみ縮小化した様に見える。

Photo25:CPUパッケージ裏面。「Blue Dolphinの方はコンデンサを配置する余地がないので、通常パッケージに比べてちょっとだけ動作速度を落す必要があるが、違うのはそれだけだ」との事。

Photo26:GMCHの比較。裏面は撮影し忘れた。

Photo27:ICHの比較。ダイサイズの小ささがわかるというものである。

Photo28:配線の取り回しが多いためか、CPUよりは微妙にピッチが大きくなっている。通常版と相似形になっているのがちょっと面白い。

実のところこれらのパッケージは、後述するUMPC向けに2007年提供されるMcCaslin Platformのものと違いが無い。というよりも、全く同じパッケージ技術を使って製造されているように見える。Eden氏はこのパッケージについて「これはSmall Form Factor向けに製造したもので、OEM向けにデザインの自由度を高めるものだ」としており、Santa Rosa向けにも「OEMが望めば」同様のパッケージを提供する考えがあることを示している。当然ながらこれはUMPCのマーケットとぶつかるわけだが、Intelは敢えて両者が競合しても差し支えない、と判断しているようだ。

というのは、関係者によればMobility GroupとUltra Mobility Group、構成する人員は「90%以上異なる」そうで、またマーケットセグメントに関しては大雑把には分かれているが、細かいところでは当然重複もあるし、それはそれで構わないという方針だそうで、サブノートのエリアはまさしく両Groupのせめぎあいになるのは判っているとの事だ。この結果として、「UMPCっぽい」普通のノートPCや、「普通のノートPCっぽい」UMPCが今年後半からマーケットに登場しそうである。この分野でどちらの製品を使うかはOEM任せ、というのが基本スタンスだそうで、このあたりをメーカーがどう判断するかが興味深いところだ。