明基電通がこのほど董事会を開催し、事業分割を決定した。この決定により、明基電通は佳達電通と改称される一方、BenQブランド事業部門は佳達電通の完全子会社、独立ブランドになり、明基電通の中国語社名と英語社名(BenQ Corporation)を継承することになる。
分割後、佳達電通はOEM事業を専門とし、3C領域をカバーする製品を製造することになる。世界でもトップレベルのコア技術、製造規模を生かしつつ、国際競争を勝ち抜く構えだ。
現在、BenQブランド事業部門は、欧州、米国、アジア太平洋、中近東、中国大陸などに営業拠点を持ち、デスクトップPC、ノートPC、周辺機器の開発と販売を行ってきた。
BenQブランドのプロジェクターと液晶ディスプレーは世界市場でも大きなシェアを占めるが、特にデジタルプロジェクターでは世界第3位、欧州とアジアでは第2位となっている。
こうした好業績が、BenQブランド事業部門の高い運営能力と独自のプロフィットモデルの確かさを証明するだけでなく、事業分割の条件が揃っているとの見方を支える根拠となったようだ。分割後、旧明基電通傘下の研究開発部門、マーケティング部門の一部が、BenQブランド事業部門に加入し、開発能力と営業力がより増強されるものとみられる。
明基電通の発表によれば、明基電通のアジア太平洋区がBenQブランド事業部門を引き継ぎ、新明基電通に再編される。新明基電通の資本金は約35億台湾元。今回の事業分割案は、株主大会に承認されれば、9月1日にも正式に実行される見通しだ。
ドイツでの携帯電話投資で失敗した明基電通は、今年第1四半期の営業収入が昨年の第4四半期に比べ大幅に目減りし、大きな赤字を抱えている。今回の事業分割、とりわけ成長性のあるBenQブランド事業部門の独立は、経営改善策の要として期待されている。