SCAバージョン1.0に含まれる仕様

これまで学んできたように、SCAはコンポーネントの実装方法を自由に選択でき、また拡張できるという特徴を持つため、仕様も一枚岩の大きなかたまりとしてではなく、実装方法やその他の論理的な区分によっていくつかに分けられている。以下、OASISのWebサイトで現在入手可能な仕様について簡単な説明を記す。

SCA Assembly Model V1.00

SCAアセンブリの構成要素について、SCDLと共に詳細な説明が行われている。最も基本的な仕様書であり、必読。

SCA Policy Framework V1.00

コンポーネント自身や、コンポーネント間の参照などに対し、機能や制約を付与する「ポリシー」についての仕様。

SCA Java Common Annotations and APIs V1.00

Javaにおける標準のアノテーション/APIについての網羅的なリファレンス。ここで定義されたAPIについては、実行環境の実装に関係なく利用できる。

SCA Java Component Implementation V1.00

JavaでSCAコンポーネントを実装するための指南書。様々な状況を想定したコード例やSCDLが記載されている。

SCA Spring Component Implementation V1.00

SCAとSpringフレームワークの統合についての仕様。Springのアプリケーションコンテキストをコンポジットの1つとして使用することができる。

SCA BPEL Client and Implementation V1.00

SCAとBPELの統合についての仕様。BPELをコンポーネントの実装として使用し、呼び出すだけではなく、コールバックを受ける方法などが規定されている。

SCA C++ Client and Implementation V1.00

C++を用いてSCAコンポーネントを実装する方法に関する仕様。APIの説明、サービスの定義方法、アノテーション("// @Reference"のように、C++コメント「//」の後に書く)などについて記述されている。

SCA Web Services Binding V1.00

WebサービスをSCAサービスとして利用する方法。「Binding」とは、サービスを利用する側とサービスの実装との間をどう紐付けるかを表す用語。Webサービスバインディングでは、基本的にWSDLドキュメント⇔Javaインタフェースの変換を行い、WebサービスをSCAサービスとして利用できる状態にする。

SCA JMS Binding V1.00

JMSキュー/トピックをサービスで用いるための仕様。

SCA EJB Session Bean Binding V1.00

EJBセッションビーンをサービスとして用いるための仕様。