フィンランドのNokiaは4月16日(現地時間)、スマートフォン向けインタフェース技術である「S60 3rd Edition Feature Pack 2」でウィジェット機能を実現するツールを提供する計画を発表した。S60のライセンシーはこれを利用して、携帯電話向けウィジェットを作成できる。Nokiaでは携帯電話でのウィジェット提供により、モバイルWeb 2.0を強化する狙いだ。

S60は、スマートフォンOSの「Symbian OS」向けインタフェース技術で、Nokiaが開発しライセンス提供している。Symbian OSでは最大のシェアを誇り、調査会社の英Ovumによると、2008年にはSymbian OS/S60をサポートした携帯電話の出荷台数は2億830万台に達する見込みという。

ウィジェットはWebコンテンツをパーソナライズして表示できるWebアプリケーションで、Nokiaは今回、S60の最新版であるS60 3rd Edition Feature Pack 2で、ウィジェットを作成できるツールを含む「Web Run-Time」を提供する。

Web Run-Timeは、Ajax、JavaScript、CSS、HTMLといった標準Web技術を利用したWebアプリケーション開発環境で、Nokiaがすでに提供しているS60 Webブラウザをベースとする。開発者はこれを利用することで、使い慣れた技術やツールを利用して、Web上の情報やコンテンツと接続できる軽量かつグラフィック効果の高いウィジェットを作成できる。このほか、既存のPC向けウィジェットアプリケーションをモバイル端末向けに移植することもできるという。将来的には、GPSなどのS60のアプリケーションや機能をウィジェットで利用することも可能になる予定。

作成したウィジェットは、Nokiaのモバイル向けRSSサービス「WidSets」などのサービスチャンネルを通して配信できるという。

Nokiaでは、S60 3rd Edition Feature Pack 2はウィジェット作成ツールをサポートした初のモバイル向け技術としている。ウィジェットは、PCではすでに利用が進んでいるが、モバイル端末はPCよりパーソナルな端末であることから、モバイル端末で提供するメリットは大きいと見ているようだ。

S60 3rd Edition Feature Pack 2は、S60のライセンシーに向けて今年第3四半期に提供を開始する。