2017年度グッドデザイン賞の受賞結果が4日に発表された。鉄道車両ではJR東日本「TRAIN SUITE 四季島」とJR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が「グッドデザイン・ベスト100」を受賞。「TRAIN SUITE 四季島」はグッドデザイン大賞候補にも選出された。11月1日にグッドデザイン大賞が発表される予定だ。

JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」(写真左)とJR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(同右)が「グッドデザイン・ベスト100」を受賞

今年度のグッドデザイン賞は、国内外から応募された4,495件のデザインを対象に審査を実施し、1,403件の受賞が決定。この中から独自性・提案性・審美性・完成度などにおいて、審査委員会がとくに高く評価した100件を「グッドデザイン・ベスト100」(グッドデザイン金賞特別賞候補)に選出している。鉄道車両では「TRAIN SUITE 四季島」「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が受賞した。

「TRAIN SUITE 四季島」は5月1日から運行開始したJR東日本のクルーズトレイン。審査委員は同列車のデザインについて「三角形のガラスが斬新な展望体験をもたらす先頭車、大きなエントランスドアの奥に広がる樹木に覆われたようなラウンジなど、大胆な空間づくりに圧倒される。あえてレトロに振らず、和モダンを基本に和紙や鉄器といった伝統工芸を組み込んだ仕立てからは新鮮な心地よさを受ける」とコメント。東日本大震災が企画の発端だったとのことで、「従来の鉄道とは一線を画す洗練のツーリズム体験を提供しつつ、復興の後押しを果たしていくという志もまた心に響くものである」と評価した。

JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は6月17日から運行開始。かつての寝台特急「トワイライトエクスプレス」を尊重しつつ、より質の高いブランドをめざした新デザインの列車となった。審査委員は同列車を「贅を尽くしたアール・デコ様式の仕立てもさることながら、車両端の円筒形ポーチ、垂直の壁とドーム型の天井で構成した客室など、ホテルと錯覚するような空間づくりに感心する。通路をソファの下に通して広がり感を実現したスイートルームなど構造面の工夫も多い」と評価。先頭車の展望デッキについても、「自然と自分が一体になったかのような感覚は何物にも代えがたい」とコメントした。

「TRAIN SUITE 四季島」は「グッドデザイン・ベスト100」に加え、2017年のデザイン・オブ・ザ・イヤーにあたるグッドデザイン大賞の候補にも選出された。大賞候補は計7件あり、「みんなで選ぶグッドデザイン大賞」展の来場者による投票、グッドデザイン賞審査委員および今年度のグッドデザイン賞受賞者による投票を経て、最多得票の1件が大賞に決定。11月1日に大賞が発表されることになっている。