わが子にいい教育を受けさせたい。そう思いつつも、どのような教育がわが子にとって望ましいのか、悩んでいる親も多いだろう。小学校受験・中学校受験の現場ではどのようなことが起こっているのか、また、受験の前に、子供の発達において知っておきたいことをまとめてみた。

子どもにかかるお金の相場を一緒に考えてみよう(写真はイメージ)

「理系脳」「文系脳」ってあるの?

「理系脳」「文系脳」という言葉を聞いたことがあるだろうか。計算が速くて数字に強い子もいれば、言葉に関わる表現や記述が得意な子もいる。理系・文系の分かれ道を個別指導教室「SS-1」の小川大介代表に聞いたところ、「新たに何かを学ぶ上で、何歳までにやらないと手遅れということはありません」と前置きした上で、「8~10歳になると、"自分はこうだ"と強く思い始める傾向があります」と説明する。

また、「大前提として、子どもの能力は理系脳と文系脳の2つには分けられません」と言う。それでも、子どもによって好む考え方が違う場合があるとのこと。以下の記事では、そんな「理系脳」「文系脳」をテーマにして、子どもへの教育のヒントを紹介している。

「子どもの『理系脳』『文系脳』って本当にあるの? その分かれ道はいつ?? 」

「『理系脳』の子ども、文系も得意になれる? その逆は?? 」

文系的・理系的な考え方を好む子って? (写真はイメージ)

米・ギフテッド教育から日本が学べること

"天才"という言葉にどのようなイメージを持っているだろうか。自分たちとは程遠い、関係のないことのようにも思えるが、実はうまれながらに特殊な才能を持つ"ギフテッド"と呼ばれる人たちは、人口の6~10%ほどいると言われている(アメリカの統計より)。

ギフテッドの発掘と育成に力を入れているアメリカでは、そのための団体や教育機関が数多く存在する。全米天才児協会の会員であり、シリコンバレーで2人の子どもを育てる石角友愛さんによると、アメリカの場合、うまれながらにして全ての子どもに得意・不得意があり、才能があるという前提で、親が子育てをしているという印象があるとのこと。以下の記事では、アメリカのギフテッド教育から日本が学べることを紹介している。

「家庭でできる、シリコンバレー流・子どもの才能の見つけ方」

全米天才児協会会員の石角友愛さんにインタビュー

「アクティブ・ラーニング」って? 変わる教育現場

では、実際の子どもの教育現場を考えてみよう。これからの教育現場では、親たちが体験していない学習指導要領も少なくない。そのひとつが、「アクティブ・ラーニング」(能動的な学習)である。2017年3月に告示され、2020年度以降に実施される小中高校の次期指導要領の中には、「主体的・対話的で深い学び」いわゆる「アクティブ・ラーニング」の視点が導入されている。同様に、2020年から小学校での「プログラミング教育」が必修化される。

「アクティブ・ラーニング」に関して言うと、東京大学名誉教授・白梅学園大学学長で教育学や育児学を専門とする汐見稔幸氏は、そもそも「アクティブ・ラーニング」は「遊び」と深くつながっているという。この遊びは未就学児から始まっており、「乳幼児は、遊びを通してひとつの物を学び、『もっとこれができるようになりたい』という気持ちを育む」とのこと。遊びを通して、集中力や失敗してもめげない力、我慢ができること、自分への自信、コミュニケーション能力などを育むことができるそうだ。

「新指導要領のアクティブ・ラーニングって何? - 家庭で今からできること」

東京大学名誉教授・白梅学園大学学長で、教育学や育児学を専門とする汐見稔幸氏

小学校受験のメリット・デメリット

子どもの教育において、受験は親にとっても悩ましい問題。特に小学校受験だと子どもが小さい内から計画を立てなければならず、「専業主婦家庭じゃないとお受験はムリ」と感じている人も多いだろう。そこで今回、共働き家庭であることを前提として、事前に知っておきたいこと、親が関わっておくべき教育について考えてみたい。

まず、小学校受験に関してだが、まずは「公立校」「国立校」「私立校」と3種類ある小学校の、それぞれのメリット・デメリットを理解しておこう。

小学校受験向け幼児教室「クラリティー・キッズ」主宰の五島真知子氏によると、受験が必要となる私立のメリットは、家庭が納得した方針の教育を選択できる、一定基準以上の家庭環境の子が集まる、学習準備の整った子のみのため入学直後からしっかり授業が始まる、先生の転勤がほぼない、学校によっては内部進学が可能となり、よほどのことがない限り受験なく進学が可能であること。デメリットとしては、経済的負担が大きい、交通機関を利用した通学が多いため負担となる、受験準備が必要である、ということが挙げられる。

特に、私立は経済的な理由が大きい。公立の授業料が0円なのに対し、私立は年間約50万~80万円と高額となり、諸経費を含めると年間150万~200万円は覚悟しておいた方がいいという。しかし、それだけの意味があるのも確かだ。以下は、共働き世帯が小学校受験を考える上で知っておきたいことを全10回の連載で紹介している。

【連載】「共働きでも小学校受験を諦めない! 」

小学校受験はその後の人生に役立つのか?(写真イメージ)

中学校受験で親ができること

続いては中学校受験。中学受験ドクター講師の春野陽子氏は、子どもの受験にあたって親がやることは「フレームワーク作り」のみと言う。子どもの生活リズムを守り、「宿題を一定量やっているか」「何度も間違えている項目はないか」などをチェックすることが大切で、勉強の中身につっこむ必要はないと話す。では実際、個別指導塾や家庭教師をどのように活用すればいいのか、共働き世代においてもこれだけは知っておきたい・実践したいハウツーを全7回で紹介している。

【連載】「共働きの中学受験ノウハウ」

共働きの中学受験は"my講師"を味方につけよ!(写真はイメージ)

また、以下の「最新『中学受験塾』ガイド」では、「駿台・浜学園」「学習塾ロジム」「SAPIX」「早稲田アカデミー」「四谷大塚」「日能研」「名進研」など、具体的な中学受験塾の特徴を紹介している。「塾ソムリエ」として塾の活用方法等を指南している西村則康氏は、「中学受験塾では小学校で習うことの何倍もの知識や解法のパターンを身につけるため、3年生の終わりの2月頃から本格的な準備に入るのが一般的です。ここから6年生の1月までの3年という長期間、塾を中心とした生活になります。親も覚悟が必要です」と言う。まずは中学校受験の現状を知った上で、自分たちはどのように取り組めるのかを考えることから始めてみてはいかがだろうか。

【連載】「最新「中学受験塾」ガイド」

受験に臨む親の心構えについて西村則康氏に聞いた