シャープは18日、「AQUOS(アクオス) クアトロン G」シリーズの新製品発表会を行った。ラインナップは、型番に「GL7」が付される「LC-80GL7」「LC-70GL7」と、「G7」が付される「LC-60G7」「LC-52G7」「LC-46G7」「LC-40G7」で、計6モデルとなっている。発売は、「GL7」2モデルが6月20日で、「G7」4モデルが6月10日。価格はオープンで、推定市場価格は、80V型のLC-80GL7が95万円前後、70V型のLC-70GL7が65万円前後、60V型のLC-60G7が35万円前後、52V型のLC-52G7が28万円前後、46V型のLC-46G7が23万円前後、40V型のLC-40G7が16万円前後となっている。
「G」シリーズは、「BIG & Smart」をコンセプトとする製品。"BIG"は、もちろん大画面を指す。「GL」ラインのフラッグシップモデルであるLC-80GL7の80V型という画面サイズは、日本国内向けに発売されている液晶テレビとしては、現時点で最大サイズだ。「G」シリーズはLC-80GL7のみならず、最小モデルでも40V型(LC-40G7)と、大画面にシフトしたラインナップとなっている。
同社が液晶テレビの販売金額を調べた結果、地上デジタル放送への完全移行直前の2011年6月に比べて、移行完了後(一部地域を除く)の2011年12月には、50V型以上の大型モデルの比率が高くなっていたという。中でも60V型以上に関しては、6月には0.8%だったのが、12月には6.1%と、特に伸びが大きかった。もちろん、40V型以下の薄型テレビの価格低下は大きな要因だが、金額ベースだけでなく、台数ベースでも同様の推移を示していたとのことだ。
地デジ移行による薄型テレビの需要増は当初、リビング向けの大型テレビが中心だったが、移行が近付くにつれて、寝室などで使用する中・小型モデルの比率が高くなっていたという。その反動で移行後は、中・小型テレビの販売台数が特に落ち込んでいるというのが同社の分析で、60V型以上の大型モデルの方が市場のニーズは高いとの結論に至っている。今回の大型中心のラインナップはその現れだ。
一方、「BIG & Smart」の"Smart"は、テレビの高性能化(スマート化)を表している。
映像面では、シャープ独自の「4原色技術」を採用する液晶パネルの、約829万サブピクセルをフルに使った映像補正が大きなポイントだ。シーンごとに、映像の輪郭や明るさ、色合いの補正が行われるが、その結果を渡す液晶ドライバーに「クアトロン最適化システム」を新搭載。質感と、色のディティールの再現力を高めている。また、映像エンジンは「高画質マスターエンジン プロ」を搭載。デュアルコアのプロセッサを採用しており、2011年の上位モデルの約2倍の処理速度を発揮。8倍速相当の動画性能や、低遅延な映像処理を実現している。
さまざまなコンテンツへのアクセスを直感的に行えるユーザーインタフェース「ビジュアル モーションガイド」が採用されているのも大きな特徴だ。下の写真は、リモコンの「ホームボタン」を押した際の画面。放送は画面の上部に縮小表示され、その下に、視聴中の番組に関してインターネット経由で取得した情報や、ランキング、裏番組の情報などが並ぶバーが表示される。このバーは、スムーズに横方向にスクロールする。
また、従来は裏番組ボタンを押した際に、番組名のテキストのみがリスト表示されていたが、新モデルでは、裏番組の画面がサムネイル表示されるようになった。
いずれの機種も、搭載しているチューナーは地上デジタル×3基にBS/110度CSデジタル×2基。USB HDDへの録画機能も備えており、地上デジタル放送を視聴中でも、2番組の同時録画が可能だ。最大8倍の長時間録画モードも備えている。
なお、「G」シリーズはUSBポートを3基装備している。1基はUSB HDDの接続用で、もう1基はUSBメモリなどを接続するためのもの。それ以外にもう1基存在するのは、Skype用カメラを接続するためだ。現在認証作業が行われており、「G」シリーズの発売時期には、サードパーティより、専用カメラがリリースされる予定とのことだ。