3G版iPad 2の流通在庫が減少し始めていることが、各所から報告され始めて話題になっている。これが意味するところは、Appleが次世代iPad (通称「iPad 3」)のリリースに向けて在庫調整を始めた可能性だ。だが現在のところ、流通在庫の減少は3G版のみで顕著であり、Wi-Fi版でこうした顕著な現象はみられていない。
この状況については、9 to 5 Macなどが報じている。Appleのディストリビューションチャネル筋からiPad 2 Wi-Fi+3Gの在庫が減少し始めているとの報告を紹介しているほか、英Carphone WarehouseやOrange UKといったサイトでも、一部モデルを除いて3G版iPad 2が在庫切れになっている状況が確認できる。過去にはiPad 2発売を目前にして初代iPadが同様の扱いで在庫切れとなる現象が確認されたほか、MacBookなどでも新製品発売を目前にして在庫切れが発生する現象はたびたび確認されている。
ポイントの1つは、なぜ3G版のみこうした現象が確認できるかという点だ。9 to 5 Macの推測によれば、現行のGSMに対応した3G版iPad 2ではInfineon (現Intel)のモデムチップを使用しており、これをCDMA版iPad 2やiPhone 4Sと同様に、Qualcomm製チップで統一するのが狙いの1つだという。こうした移行の過程で、旧チップを採用するモデルをなるべく早い段階で新モデルへと切り替えることが目的だというのがその分析だ。また、iPad 3に関する噂の1つに「3GモデルでのLTE採用」が挙げられるが、こうしたネットワーク技術の世代交代が背景にあるというのは、理由の1つとして説得力はある。その一方で、従来モデルのiPad 2が廉価版として引き続き継続販売されるという噂もある。その場合、高価な3G版ではなく、Wi-Fi版を継続販売する可能性のほうが高いといえる。Wi-Fiモデルの在庫には余裕があるのも、これが理由だと考えればリンクする。
また今回の話に関連するものかはわからないが、一部販売代理店がiPad 2の価格を最大70ドル引き下げたという話もある。在庫切れや値下げは新モデル登場の兆候だと思えば、そのXデイは近いのかもしれない。