連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


お金ってどうしてこんなにも手元に留まってくれないのかしら? と思うくらいパタパタとお金に羽が生えたように飛んでいってしまいます。とは言えムダ遣いをして消えてしまうならまだしも、払うべきところに支払っているのだから、仕方ないと考えるしかありません。ありがたいことに、妊娠をしても働ける環境にあったために、収入は途切れることはありませんが、個人事業主ですので会社員のような産休・育休制度があるわけではなく、休暇中の所得の保障はありません。もちろん、出産後の仕事の保証もありませんから、大切なのは現実問題として「お金」ということになります。

妊娠、出産にかかるお金は前回も少し触れましたが、補助や給付金といったものを利用すればそれほど多くのお金は必要ではありません。他に必要と言えば、育児をするにあたっての衣類やグッズ、オムツ代でしょうか。このあたりも、お下がりやレンタルを利用すれば、足りないものを買い足すくらいで済みます。月齢が低く、母親がお世話ができる環境であれば、オムツやミルク代くらいで、それほどお金はかかりません。特に第一子出産の場合は、初めての経験でもあるので、どうしても先回りをしてあれこれと準備をしてしまいがちですが、それがムダにつながることもあるので、あまり焦って買いすぎないことも節約につながると思います。私自身もできるだけお下がりをもらいつつ、肌着はインターネットで見つけたショップのファミリーセールを利用して揃えました。

妊娠中は特にこれといった大きなトラブルもなく、仕事に追われる日々を過ごし、出産前に子供の産着を作るとかそういった時間もないまま、妊婦生活を過ごしていました。妊娠後期になると、これが食べ納めと言わんばかりに、友人達と火鍋を食べに行ったりと、外食をしていたら、体重もどんどん増えてしまい、最後は主治医に「太りすぎ~!」と怒られてしまいました。妊婦生活を謳歌している中、突然夫からある相談をされました。

「引っ越したい…」と夫からの言葉に、しばし呆然とする私。住宅ローンも終わって、毎月の管理費だけで済むこの部屋になんの文句があるのかー! と心の中で絶叫しつつ、冷静になって話を聞いてみると、職場から遠いことが理由でした。といっても、私からしてみれば、1時間弱で通える程度なら不便だとは思っていなかっただけに軽くショックを受けつつ、夫の言い分としては職場近くに引っ越して、通勤時間を短くして楽になりたいとのことでした。それが贅沢な悩みだと思ったのは私だけではないでしょう。

しかも、この部屋にはとても思い入れがあり、引っ越すなんて考えてもいなかっただけに、ショックが大きく、そしてまたこれから物件選び、引っ越しや出産、金銭面を考えると、目眩(めまい)がしました。

(※画像は本文とは関係ありません)