オンキヨーとパイオニアが、片手で持てるコンパクトサイズのハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー(以下、ハイレゾDAP)をCES 2017で発表。高音質を徹底的にこだわり抜いたハイレゾスマホもベールを脱いだ。

筆者はCES 2017の会場で、オンキヨー&パイオニアイノベーションズの佐野恭平氏を訪問。佐野氏が開発を担当する、新しいコンパクトなハイレゾDAPの特徴について訊ねてきた。

オンキヨー&パイオニアイノベーションズ ネットワークサービス事業本部 DAP商品企画部の佐野恭平氏。オンキヨーとパイオニア両ブランドのコンパクトDAP開発を担当する

2015年にオンキヨー「DP-X1」、パイオニア「XDP-100R」が同時デビューしたように、両ブランドから同時にコンパクトサイズのハイレゾDAPがCES会場に並べられた。型番や発売時期、価格などの情報は明らかにされなかったが、筆者の感触としては日本での展開がないはずはないと思う。音楽が再生できて、タッチ液晶のユーザーインタフェースも機敏に反応するなど、完成度の高いプロトタイプだった。「現時点で音質の完成度は7割前後」だと佐野氏は語っている。

パイオニアのコンパクトDAP

XDP-300Rのデザインを踏襲。ボリュームダイアルの操作性などにも気を配っている

オンキヨーのコンパクトDAP

今回小サイズのハイレゾDAPが開発されることになった経緯を、佐野氏はこう語っている。「スマートフォンで音楽を聴くスタイルが一般に浸透してきましたが、ハイレゾの注目度も上がって、アウトドアでもより良い環境で音楽を楽しみたいという声も高まってきたと感じています。スマホとの2台持ちにもフィットする、ポータビリティの高い音楽専用プレーヤーを提案したいと考え、オンキヨーとパイオニアの両ブランドで開発がスタートしました」

DP-X1とXDP-100Rの進化版「DP-X1A」「XDP-300R」はAndorid OSを継続採用したが、今回の製品から、両ブランドともに自社開発の独自OSに切り替わるそうだ。佐野氏は「Androidスマートフォンをすでにお持ちの方にとっては、音楽再生専用として使い勝手をシンプルにまとめ上げたプラットフォームの方がより魅力的に感じていただけるのではないかと考えています。もう一つ大きな理由としては、高音質機能を作り込んだあとも、Android OSのアップデートに影響を受けることなく安定した機能とサービスを提供できるところがメリットになります」とその理由を説明している。

タッチパネル液晶のサイズは2.4型。男性の割には少し手が小さい筆者も、片手に収めてのをサクサクと操作できるほどの大きさだ。オンキヨー、パイオニアの製品ともにメタルのシャーシを採用しており、バックパネルはWi-FiやBluetoothの通信機能が安定して使えるよう樹脂とのコンビネーションにしている。

オンキヨーのDP-X1Aは、四隅のエッジ感を際立たせたシャープなデザインが魅力だったが、コンパクトモデルは柔らかなラウンドコーナーにしてイメージを一新。また、パイオニアのモデルはブラックとシルバーの2つのラインナップが選べるようになりそうだ。

microSDカードは2枚まで装着できる。内蔵メモリーももちろん搭載する

液晶はカラーで、ジャケ写の表示に対応。内蔵メモリーのほかにもmicroSDカードスロットが2基ついているので、1つの音楽ファイルの容量が大きくなりがちなハイレゾ音源も、たくさん持ち歩くことができそうだ。

3.5mmと2.5mmのイヤホン端子を装備

ハイレゾはリニアPCM系だけでなく、DSD系のファイルも再生できるようになるという。3.5mmの一般的なヘッドホンジャックのほかにも、2.5mmのバランス出力端子を装備。バランス対応のケーブルでヘッドホンやイヤホンをつないで聴けば、ハイレゾに限らず様々な音楽がよりいい音で楽しめる。購入したあとも聴き方がいろいろ工夫できそうだ。佐野氏も「オンキヨーの方はクリアな解像感、パイオニアの方は元気で力強いサウンドにしあげていきたいと考えています。ハイレゾプレーヤーを初めて購入したいという方もぜひきてみて欲しいですね」と語っている。日本導入のアナウンスを期待したい。