ご存じの通り、間もなくSkylakeが登場などと世間では騒がれているが、これに先立って2015年6月にはIntelからBroadwell-H、AMDからはGodavariがそれぞれリリースされている。

Broadwell-Hは、Desktop向けとしては初めてとなる14nmプロセスを利用した製品だ。一方GodavariはKaveri Refreshであって、特にGPUコア側の動作周波数を大きく引き上げたものとなっている。

どちらの製品も既存のプラットフォームを利用できるという意味では貴重なアップグレード製品となっており、であればSkylake登場前に一度これらの製品の性能評価を行っておくのは無駄ではないだろう。ということで、今回は主に性能評価に絞って簡単にレポートしたいと思う。

Broadwell-H(Photo01~05)

Broadwell-Hは2015年の6月2日、ちょうどCOMPUTEX期間中に発表され、6月21日には秋葉原で発売記念イベントも開催された。そのBroadwell-Hであるが、デスクトップ向けとして発売されたのはCore i7-5775CCore i5-5675Cの2製品である。スペックをまとめると

製品名 Core i7-5775C Core i5-5675C
Core数 4 4
Thread数 4 8
Base Clock 3.3GHz 3.1GHz
Turbo Clock 3.7GHz 3.6GHz
GPU Base Clock 300MHz 300MHz
GPU Tuebo Clock 1.15GHz 1.1GHz
GPU Iris Pro 6200 Iris Pro 6200
GPU EU数 48 48
L3 6MB 6MB
L4 128MB 128MB
Memory DDR3/DDR3L-1333/1600 DDR3/DDR3L-1333/1600
TDP 65W 65W
Price 377.00米ドル 277.00米ドル

となっており、どちらもLGA1150の形で提供される。GPUがIrisではなくIris Proであることからも分かる通り、どちらも128MBのeDRAMをL4として搭載する。そのため、L3こそ容量がやや減らされているが、性能面ではデメリットにならない公算が高い。

主要なマザーボードメーカーはいずれもBroadwellに対応したBIOSを提供しており、これを適用することでIntel 9シリーズマザーボードで利用可能となっている。

Photo01:パッケージはいつもの通り

Photo02:愛らしいもふもふのCPU(違)

Photo03:LGA 1150ということで機械的形状はHaswellと当然同じ

Photo04:TDPが65Wと低いこともあり、チップコンデンサの数がHaswell(拡大写真)と比較して大幅に少ないのが分かる

Photo05:標準で付いてくるクーラーは、TDPが低めとあって薄型のものだった

ちなみに7月末の実売価格を見ると、Core i7-5775Cが51,202円、Core i5-5675Cが38,312円といったあたりになっている。Devil's CanyonことCore i7-4790Kは45,600円となっており、この価格差を埋められるだけの性能あるいは特徴があるか、というあたりがポイントになるだろう。

CPU-Z(Photo06~08)とGPU-Z(Photo09)の結果も示しておく。

Photo06:コア電圧は意外に高めの1.155V。ちなみにCore i7-4790Kは1.171Vになっていた

Photo07:L4キャッシュは16wayの128MB構成となっている

Photo08:定格はDDR3-1600までだが、勿論問題なくDDR3-1866も動作する。DDR3-2133も行けそうではあった

シェーダ数がCore i7-4790KのHD Grpahics 4600(20EU)に比べると大幅増加しており、これがL4と相まってどこまで性能向上に寄与するか、というあたりが焦点