「LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.」では、AFはほぼ無音でスムーズに作動する

撮影機能では、空間認識技術「DFD(Depth From Defocus)」に基づいた新しいAFシステムに注目したい。これは、ライブビュー映像からレンズのボケ度合いを読み取り、レンズの光学データを参照しながら、撮影空間の被写体距離を瞬時に算出する技術のこと。この空間認識技術によってレンズをピント位置付近まですばやく動かした上で、これまで同様の高精度なコントラストAFによって微調整する仕組みになっている。

試用ではキット付属の高倍率ズーム「LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.」を主に使ったが、スピーディに作動するAF性能を実感できた。動きのある被写体に対しても実用的な速度でピントが合い、AFにストレスを感じることはほとんどない。ちなみに最近の同社製品、たとえば「DMC-GH3」「DMC-GX7」などはコントラストAFのみながら、すでに軽快なAF速度を実現していたので、本モデルが大幅に高速化したというほどではないが、動体に対する追従性は確実に向上したと感じる。

【左】オートフォーカスモードの選択画面 【中】カスタムマルチでは、AFエリアを横一列や縦一列にすることもできる 【右】さらに自由な形にAFエリアを設定することも可能だ

シャッターまわりのレスポンスについても快適だ。レリーズタイムラグは短く、シャッター音は小気味よい。連写は、メカシャッター使用時で約12コマ/秒(AF追従時は約7コマ/秒)、電子シャッター使用時で約40コマ/秒に対応する。また、これまでの同社製品と同じく、電子シャッターを利用してほぼ無音で撮影を行うサイレントモードも備えている。

【左】モードダイヤルには好きな撮影設定を登録できるCモードが用意される 【中】ボディ左肩には、ドライブモードダイヤルを装備。連写やセルフタイマーにすばやくセットできる 【右】好きな機能を割り当てられるFnボタンはボディに5つ、モニター画面内に5つある

オートフォーカスモードは、1点AFのほか、ピンポイント/顔・瞳認識/追尾/49点/カスタムマルチの計6モードが用意される。中でもユニークなのは、新機能として追加されたカスタムマルチだ。これは49点のAFエリアから複数の好きな点を登録できる機能。たとえば流し撮り用の横長のAFエリアや、建造物撮影用の縦長のAFエリアなど自由な形状を設定できる。

【左】天面には、ホワイトバランス、ISO感度、露出補正の各専用ダイヤルを装備する 【中】Fnボタンの設定画面。Wi-Fiを割り当てて、スマホなどとすばやく連携することもできる 【右】再生メニュー内には、カメラ内RAW現像機能を新搭載